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大塚商会、過去最高の売上高、利益を達成-2004年連結決算


代表取締役社長の大塚裕司氏

2004年連結決算概要
 株式会社大塚商会は2月3日、2004年連結決算を発表した。

 これによると、売上高は、前年比8.2%増の3724億8100万円、営業利益は、84.5%増の170億900万円、経常利益は88.1%増の170億3600万円、当期純利益は357.7%増の112億4700万円と、売上高、利益ともに過去最高の実績。また、対前年比伸び率も過去最高、営業利益率および経常利益率4.6%も過去最高だという。

 システムインテグレーション事業は、売上高が前年比5.7%増の2387億2900万円、サービス&サポート事業の売上高は12.3%増の1309億5900万円、その他事業の売上高は49.4%増の27億9200万円となった。

 同社では、今回の好業績に関して、景気回復による企業収益の改善、金融不安の解消といったプラス要素に加えて、ブロードバンド環境の進展とセキュリティへの関心の高まり、2000年問題を機に導入されたコンピュータのリプレースや、Windows NTおよびWindows 98のサポート期間の終了によるリプレースの促進、IT投資促進税制などの政府の支援策などの影響により、5月以降から企業のIT投資回復が顕著に回復しているといった外部要因があったことを指摘。さらに、同社のCRM、SFAを担うSPR(Sales Process Re-engineering)の活用による提案品質の向上、効率的な営業活動の展開、コンピュータ、複写機、ソリューションなどを連携させた複合システム提案の強化、原価管理強化や販管費率の改善による収益性の向上などが寄与したとしている。

 「製品単体だけの商売では競合が多いが、事務機とコンピュータ、ネットワーク、サプライ、サポートといった総合提案をできる企業という点では競合が少なくなる。また、ワンストップでソリューションが提供されるため、顧客のメリットも大きい。その点での強みが発揮された。また、SPRには第4四半期だけで4万件を超える情報が入力され、どこに顧客のニーズがあるのかといった情報を元にした科学的営業手法が成功した」(大塚商会・大塚裕司社長)としている。

 大塚社長によると、2003年12月以来、13カ月連続で予算を達成しているという。


大塚商会の成長を下支えしているSPRの画面イメージ SPRの画面例

重点戦略事業の状況
 また、事業分野別では、同社の中核となる消耗品・補修用品などのMRO(Maintenance, Repair and Operation)が、前年比30.3%増の523億7400万円、基幹業務ソフトであるSMILEは、前年比7.5%増の206億3900万円、企業の文書類を知識データベースとして活用するシステム提案であるODS21(Otsuka Document Solutions 21 for open knowledge office)は、36.9%増の254億2900万円、セキュリティは、57.8%増の99億円となった。

 「セキュリティに関しては、大きく企業の関心を集めているが、そうした需要に対して、当社をはじめとした9社連合により、製品およびソリューションを提供する体制をとり、これが功を奏している」という。

 MROのうち、「たのめーる」は、40.4%増の463億6900万円となり、構成比も82.2%となった。

 「今回初めて、たのめーるの口座数を公表したが、すでに38万5895社のユーザーがある。こうしたユーザーに対して、今後、複合システム提案をしていくことが可能になり、当社の営業部門にとっては、ドアオープナーとしての役割も担っている」と位置づけた。

 また、複写機の販売台数は10.6%増の2万9583台、そのうち、カラー複写機が33.9%増の1万4775台と、カラー化が進展していることを示した。一方、サーバーは、13.0%増の2万5941台、パソコンは、4.6%増の43万9184台となった。

 「パソコンは2003年には、NTT向けに3万台という大型案件があったが、2004年はそうした大型案件がなかったにも関わらず、前年実績を上回った」と説明した。


売上高・利益の計画
 なお、2005年の連結業績見通しは、売上高が5.0%増の3910億円、営業利益が5.2%増の179億円、経常利益が5.7%増の180億円、当期純利益は22.5%減の87億2000万円とした。

 2004年には、厚生年金の代行返上分が上乗せ効果となっていることなどから、2005年の当期純利益を減少させている。

 システムインテグレーション事業は、売上高が前年比1.4%増の2421億4900万円、サービス&サポート事業の売上高は12.1%増の1468億4100万円、その他事業の売上高は28.0%減の20億1000万円とした。

 「大塚商会の顧客は約60万社だが、そのなかには、まだコピーの大塚商会しか知らない、あるいはコンピュータの大塚商会しか知らないという顧客が約4割ほどある。これらの顧客に大塚商会の強みである複合提案を進めていきたい」(大塚社長)としている。



URL
  株式会社大塚商会
  http://www.otsuka-shokai.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.otsuka-shokai.co.jp/company/release/news1708.htm

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