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高速無線LAN技術「MIMO」を展開する米Airgo、日本法人を開設


エアゴーの取締役社長、ロバート・ディマルティーノ氏
 米Airgo Networks(以下、Airgo)は2月16日、同社の日本法人「エアゴーネットワークス株式会社」(以下、エアゴー)の開設を発表した。取締役社長にはAirgoのワールドワイドセールス担当副社長を務める、ロバート・ディマルティーノ氏が就任している。

 Airgoは2001年に設立されたWiFiチップメーカーで、MIMO(Multi Input Multi Output)技術を利用して、最大108Mbpsの通信速度を実現可能なチップを、主力製品として販売している。MIMOとは、複数の送信アンテナからデータを多重送信し、複数の受信アンテナで受信する技術。

 MIMOに関しては、「一部の企業では、データ系列が1つしかないものをMIMOと呼んでいる」(エアゴーのテクノロジアプリケーションディレクタ、高木映児氏)など、米国を中心に定義の混乱が見られるというが、同社の「True MIMO」では複数系列のデータを同時に送受信するため、帯域幅の拡張が可能になったという。

 今回、airgoが日本法人を立ち上げた目的の1つは、日本市場や国内ユーザーのニーズをくみ取るため。「日本市場は重要だが、海の向こうから見ているだけではニーズが正確にはわからない」としたエアゴーのセールスディレクタ、古野敬典氏は、あわせて、同社の顧客である無線LAN機器メーカーを国内で支援することも、重要な目的だとした。

 エアゴーの具体的な組織としては、技術情報を収集する技術部門のほか、営業/FAE(フィールドアプリケーションエンジニア)が所属し、製品拡販活動を行うセールス部門を設ける。同社では情報収集のほか、機器メーカー、ノートPCメーカー、家電メーカーなどを対象に営業活動とサポートを展開する考えで、ディマルティーノ氏は「日本の(顧客)企業をセールス、マーケティング、技術の各面で支援する。MIMOは、ブロードバンド化が進む日本のニーズにも応えられる」とコメントした。

 なお、Airgoのチップを用いた無線LAN機器は、まず2004年にプラネックスが法人向け製品を発売。その後2月になって、バッファロー、ネットギアなどからコンシューマ製品の提供が発表されている。



URL
  米Airgo Networks
  http://www.airgonetworks.com/

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( 石井 一志 )
2005/02/16 16:13

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