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テクニカルソリューション担当シニア・マネージャ、マット・コロン氏
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ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は2月18日、プレス向けのセミナーを開催し、同社が推進しているネットワークコンセプト「インフラネット」についての説明を、テクニカルソリューション担当シニア・マネージャ、マット・コロン氏が行った。
コロン氏によれば「現在、グローバルでユビキタスなネットワークは、インターネットしかない」と述べるように、インターネットは重要なインフラではあるのだが、残念ながら「セキュリティ面、パフォーマンス面を考慮した場合、必ずしも十分であるとはいえない」という。またサービスプロバイダは主としてここ10年の投資をインターネットの構築に向けてきたが、インターネットが誰でも利用できる、コモディティ化したリソースになった今、「現在のネットワーク構成ではサービスプロバイダが収益を上げにくくなっている」(同氏)のも現実だという。
そこでインフラネットでは、TDM、ATM、FRなど、複数の方式に分散している既存のネットワークを、MPLSベースのIPネットワークに統一し、さらにキャリアをまたいでも品質が保証されるようなネットワークを構築することで、サービスプロバイダの収益性の向上を図ろうとしている。コロン氏は、「インターネットの利点を受け継ぎながら、プライベートネットワークの安全性とパフォーマンスを有したネットワーク、インフラネットがこれから必要になるだろう」とし、サービスプロバイダにとってはインフラネットへの切替が必要な時期に来ていると述べた。
もちろん、こうした大がかりな仕組みは一朝一夕に実現できるようなものではない。ジュニパーでも、ネットワーク事業者内での「IPインフラ」「基礎インフラネット」「単独インフラネット」といった各段階と、単独インフラネットを構築した複数の事業者が接続するための「グローバルインフラネット」の、計4つの段階を定義し、少しずつ進化していけるようなロードマップを描いている。今回、コロン氏はインフラネットを構成する各レイヤのうち、「パケット処理」レイヤについて、今ある課題と、それを解決するための技術の一部を紹介した。
インフラネットでは最終的に、プライベートネットワーク並みの品質とセキュリティをあらゆるアプリケーションに与えられるネットワークを目指しているのだから、パケットの信頼性を確保することはとても重要になる。利用されている技術は数多いというが、コロン氏はその中から障害の素早い検知を可能にするBFD(Bi-directional Forwarding Detection)や、運用・管理・保守の効率化に威力があるMPLS OAM機能などを取り出して解説を行った。
一方インフラネットは、見かけ上1つのネットワークであるが、その中にはユーザーごと、アプリケーションごとに複数の仮想ネットワークが構築されることになる。そのため、VPLS(Virtual Private LAN Service)やRFC2547準拠のVPNなど、「仮想化技術も重要だ」(同氏)。加えて、アプリケーション/ユーザーごとに時差・ジッタ(ゆらぎ)・品質の許容範囲が異なるため、それを認識して、それぞれに適した品質のサービスを提供するためのQoSも効果的に用いる必要があると主張した。
また現在では、インフラネット構想はジュニパーだけでなく、多数の企業・団体が参画している「IIC(Infranet Initiative Council)」という団体の中で討議され、今後の方向性を検討している、ともコロン氏は説明する。「IICはインフラネットの方向性を定めるためのプロバイダがベンダコミュニティに提示している疑問に答えていく場。ベンダの機器・サービスの違いにかかわらず、すべてのネットワークで動作するように試みている。標準化団体になることが目的ではなく、業界のニーズをITUやIETFに働きかけ、標準の中に反映するものだ」(同氏)。
IICのメンバーには、世界各国のさまざまなキャリアやサービスプロバイダをはじめ、IBM、HP、Lucentなどが参加しているという。しかし、まだまだ参加していないネットワークベンダは多い。ジュニパーやそのほかの参加ベンダの機器だけですべてのネットワークを構築できるわけではないのだから、標準化団体に影響を与えるためにも、引き続きより多くのベンダにIICへの参加を促していく必要があるのではないだろうか。
■ URL
ジュニパーネットワークス株式会社
http://www.juniper.co.jp/
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( 石井 一志 )
2005/02/21 11:08
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