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日本IBM三浦氏、「SOAは絵空事ではない」

~IBM フォーラム 2005 講演

 2月24日・5日の両日、東京の赤坂プリンスホテルで開催された「IBM フォーラム 2005」において、「IBMのソフトウェア戦略 ~オンデマンド時代を実現するオープンなコンポーネント~」と題して、日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員ソフトウェア事業担当の 三浦浩氏による講演が行われた。


「SOAは絵空事ではない」と語る三浦氏
 コストを抑えながら、ユーザーの要求に素早く柔軟に応じられるITインフラは、すべてのIT部門の目標である。また昨今では、ビジネスのアウトソーシングや企業買収など、ビジネスプロセスそのものにも柔軟性が求められる。IBMが企業戦略として掲げている「オンデマンド・ビジネス」とは、ビジネスプロセスが企業、パートナー、顧客をエンドツーエンドで統合され、さまざまな要求にも迅速に対応できるというものである。三浦氏は「柔軟なビジネス・プロセスを実現するITアーキテクチャはSOA(サービス指向アーキテクチャ)を基本に構成される」と述べる。

 変化するのはビジネス・プロセスだけではない。技術の進歩とともにハードウェアは進化し、アプリケーションもニーズに合わせて新しいものが開発される。しかし、技術の進歩は年々早くなっており、変化を正しく予測することがどんどん困難になっている。技術の進歩に対応するには、オープンなアーキテクチャを持つミドルウェアが重要であると三浦氏は語る。つまり、変化に迅速に対応するため、IBMではオープンなアーキテクチャのミドルウェアによって、さまざまな技術を組み合わせるのである。

 「以前のIBMは独自の技術にこだわる企業でした。しかし、このやり方では変化への対応に限界がありました」と三浦氏は語る。IBMという巨大企業であっても、すべて自社技術だけで完結するわけではない。オープンなアーキテクチャを採用することによって、多くのベンダやユーザー独自の技術を組み合わせることが可能になり、結果的にITインフラの柔軟性が高まるのである。IBMでは近年、Eclipseをはじめとする多くのソフトウェアや関連する特許を公開してオープンソース化した。そして、今後もIBMでは「Linux」「J2EE」「Eclipse」などさまざまな技術の標準化に貢献するという。

 また、IBMでは「Rational」「WebShpere」「DB2」「Lotus」「Tivoli」といったソフトウェア製品を持っている。これらの製品群の連携度を向上させるため、製品の要素技術を共有化して再構築し、SOA対応の機能を埋め込んでいくという。最後に三浦氏は「いまSOAの理念を語っても絵空事と思われるかもしれません。しかし5年前、10年前に現在のITの進歩が想像できたでしょうか?」と語って講演を締めくくった。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  IBM フォーラム 2005
  http://www-6.ibm.com/jp/event/forum2005/index.shtml


( 北原 静香 )
2005/02/28 11:56

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