IDC Japan株式会社は2月28日、2004年通年の国内サーバー市場動向を発表した。これによると、2004年の国内サーバー市場規模は7004億円となり、前年と比較して2.7%の減少となった。2003年は前年比12.7%減であったため、下げ幅が小さくなり、市況が改善されつつある。一方、出荷台数は50万3900台となり、前年比15.6%増の2ケタ成長をとなった。
■ x86サーバーが出荷金額でメインフレームを上回る
|
国内サーバー市場の推移
|
|
2004年国内サーバー市場シェア(出荷金額)
|
2004年の国内サーバー市場は、特にx86サーバーが民間企業の業績回復を背景に需要が拡大し、出荷台数は前年比17.5%増となった。しかし、製品価格は下落を続けており出荷金額は同1.0%増にとどまった。IDC Japanでは「出荷金額の面ではむしろ、RISCサーバーの需要回復のほうが大きく貢献した。現在日本ヒューレット・パッカード(日本HP)がRISCサーバーからIA64サーバーへの製品移行を進めているが、2004年におけるRISCサーバーとIA64サーバーを合算した出荷金額は前年比2.4%増であり、2000年以来4年ぶりにプラス成長に復帰した。西暦2000年問題対応で1999年前後にRISCサーバーを購入した多くのユーザーが更新時期を迎えたことが需要回復の主要因となった」と分析している。
一方、2004年の国内メインフレーム市場は、出荷金額が前年比8.9%減となった。RISCサーバーと同様に、既存ユーザーが更新サイクルのピークを迎えており、2003年よりも減少率が縮小した。
なお、2004年の製品カテゴリー別出荷金額で、x86サーバーがメインフレームを初めて上回った。メインフレームが出荷金額でほかの製品に抜かれたのは、国内では今回が初めてだという。
ベンダー別シェアでは、富士通に代わり日本IBMが首位となった。日本IBMは、すべての製品カテゴリで前年より出荷金額を伸ばし、主要ベンダーでは唯一10%を超える成長を記録、メインフレームとx86サーバーは2ケタ成長であった。
これに対して富士通は、RISCサーバーはプラス成長であったが、メインフレームとx86サーバーが不振であった。IDC Japanでは「結果的には、メインフレーム事業の出来が明暗を分けた。日本IBMが国内サーバー市場でトップに立つのは1990年以降では初めてだろう」としている。
■ 2004年第4四半期のx86サーバー市場出荷金額で日本HPがトップに
|
2004年第4四半期国内サーバー市場シェア(出荷金額)
|
また、IDC Japanは通年と合わせ、2004年第4四半期(10~12月)の国内サーバー市場動向を発表した。これによると、2004年第4四半期の市場規模は1580億円となり、前年同期と比較して8.7%縮小した。また、2004年第4四半期の出荷台数は12万8000台で、前年同期比13.5%増となり、7四半期連続の2ケタ成長を達成した。
2004年第4四半期は、主要な製品カテゴリがすべてマイナス成長であった。プラス成長を続けていたx86サーバーも、前年同期比2.1%減と7期ぶりにマイナス成長となった。メインフレームは、前年同期に大型案件があったことの反動もあり、同23.8%減と大きく下落した。
ベンダー別では、日本IBMが2期ぶりに1位に復帰。前期1位だった富士通は3位に下がり、2位には日本HPが入った。日本HPが国内サーバー市場で2位になるのは初めて。また日本HPは、2004年第4四半期の国内x86サーバー市場出荷金額でトップとなった。これまで1位だったNECが抜かれたのは、1997年以降では初めてだという。
■ URL
IDC Japan株式会社
http://www.idcjapan.co.jp/
■ 関連記事
・ 国内サーバー市場はRISCが需要回復、x86も好調-IDC調査(2004/11/30)
( 朝夷 剛士 )
2005/02/28 18:42
|