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携帯サーバーからマネキン型ロボットまで、脱スパコンを目指す日本SGI


代表取締役社長の和泉法夫氏

2月28日に発表されたマネキン型ロボット。人感センサーを搭載して状況に応じた動きを行うなど、さまざまな展開が可能
 日本SGI株式会社は3月1日、同社代表取締役社長の和泉法夫氏による同社のソリューションビジネスに関する説明会を行った。今回の説明会は、同社が2月28日、3月1日の両日に開催したプライベートイベント「日本SGI ソリューション・キュービック・フォーラム2005」にあわせて行われたもの。

 日本SGIといえば、スーパーコンピュータやハイエンド製品の会社というイメージが強いが、「2年前からブロードバンド・ユビキタスソリューションに取り組んでいる。スパコン“だけ”を扱っていないことを知ってもらうためのイベントが今回のソリューション・キュービック・フォーラムだ」と、イベントの開催趣旨についてこのように説明した。

 実際、日本SGIが最近発表したものを見ると、2月28日には「マネキン型ロボット」、2月15日には情報漏えい防止ソリューション「時限くん」、2月1日には対話型リッチコンテンツ統合プレゼンテーションソリューション「VizImpress」と、今年だけ見るとスーパーコンピュータやハイエンド製品といったイメージとはほど遠い内容となっている。

 これについて和泉氏は、「日本SGIには、自動車の衝突解析・可視化、映像データのアーカイブなど、ハイエンドの製品を提供してきた実績がある。最近発表したソリューションは、決して突然でてきたものではなく、日本SGIが持つテクノロジーをベースに、民間でも使えるものを提案しようとして生まれたもの」と、ハイエンド製品で培われたノウハウや技術があったからこそできたものであることを強調した。たとえば、2004年4月に発表された3次元地図を利用したアプリケーション開発ツール「GEO-Element」は、日本SGIのハイエンドのグラフィックス製品で使われている技術を活かしてできたものだ。また、シャープ製ノートPCに対応した裸眼立体視環境を実現するソリューションも同様だ。

 また和泉氏はブロードバンドの普及が、これまでとまったく違うコンテンツの出現につながると説明。「楽天が成長したきっかけは、ADSLの普及による常時接続環境が整ったことが大きい。今後FTTHが中心になれば、さらに新しいコンテンツが生まれてくるだろう」と述べ、そのときには同社の技術を活かしたソリューションが有効になるとした。

 最後に和泉氏は、「IT産業の場合、同じことだけしていては衰退するだけ。時代の変化を受け入れられる企業でなければ生き残れない」と、ハードウェア中心から過去のテクノロジーを活かしたソリューション中心へと生まれ変わった日本SGIをアピールした。



URL
  日本SGI株式会社
  http://www.sgi.co.jp/

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( 福浦 一広 )
2005/03/01 17:59

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