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シマンテック 執行役員副社長 コンシューマ事業統括 斎藤秀明氏
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株式会社シマンテックは3月2日、個人ユーザーを対象に行ったスパムメール・スパイウェアに関する調査結果を発表した。この中で、スパムメールやスパイウェアについて正しい知識を身につけておらず、誤った対処をしてしまうユーザーが、一定の割合で存在することが明らかになった。
調査結果によると、出会い系サイトへの勧誘や違法ソフトの販売など、スパムメールを受信する回数について、「すごく増えている」「少しずつ増えている」と回答したユーザーは全体の2/3にのぼっている。受信件数では、特に回避策について知識の乏しい中高年層が多く受け取る傾向があるという。
スパムメールの中には、ウイルス/ワームへの感染やフィッシング被害につながる可能性があるものも含まれており、受信した際には基本的に無視することが望まれるが、調査結果によると、インターネット利用歴1年未満のユーザーの28%、3年以上でも13.8%が「メールに書かれたURLにアクセスし、拒否手続きなどに従う」と回答しており、被害を拡大してしまう恐れがあることがわかった。
また、スパイウェアについては、インターネット利用歴1年未満のユーザーの72%、3年以上でも37%が「聞いたこともない」と回答した。対策においても「よくわからないので、特に何もしていない」との回答が1/3に達しており、ウイルスやスパムメールと比較してスパイウェアが、あまり認識されていない結果となった。米国の調査だが、家庭用PCのおよそ8割がスパイウェアに感染しており、それらの大半が気づいていないとの調査結果もある。
これらの結果について、シマンテック執行役員副社長コンシューマ事業統括の斎藤秀明氏は、「ウイルス以外に対するセキュリティの認識は徐々に広まりつつあるが、十分な対策をしている人は、それほどいない」と述べ、対策方法を含めた更なる認知の必要性があるとの考えを示した。
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スパムメールの認知率
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スパムメール受信時の対応
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スパイウェアの認知率
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今回の調査は個人ユーザーを対象としたものだが、その多くは、企業内ITのエンドユーザーも含まれるといえる。もし、企業内で誤った対処が行われた場合、スパムメールの増加や、機密情報の漏えいなど深刻な被害につながる危険性もある。管理部門と現場では、思わぬ認識の違いがあることも多いため、これらへの正しい知識と対処方法の徹底、および可能な限りエンドユーザーの手元まで危険が及ばないよう、上流(サーバーやゲートウェイ)から末端(クライアントPCなど)までのセキュリティ対策が求められる。
■ URL
株式会社シマンテック
http://www.symantec.co.jp/
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( 朝夷 剛士 )
2005/03/02 17:50
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