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シャープ、「デジタル複合機の国内シェア、2010年には20%に」


常務取締役の井淵良明氏
 シャープ株式会社は3月7日、同社のドキュメントシステム事業の取り組みについて説明会を行った。出席した同社常務取締役の井淵良明氏は、「環境対応を強化した新製品を2005年に出荷し、2010年には国内でのシェア20%を目指す」と、積極的に取り組む姿勢を見せた。

 デジタル複合機を中核とするドキュメントシステム事業は、液晶・液晶テレビ事業、太陽電池事業、環境・健康家電事業と並んで同社の重点事業として挙げられている。今回、ドキュメントシステム事業の取り組みでもっとも力を入れて説明したのが、環境への対応だ。1月に開催された同社町田社長による年頭記者会見でも、2010年までに温暖化負荷ゼロ企業を目指すという方針が掲げられており、今回ドキュメントシステム事業が発表した取り組みもこれに沿った内容となっている。

 具体的には、「21世紀のオフィス環境を変えるシャープ」というビジョンを掲げ、「環境性能」「情報セキュリティ機能」「カラー性能」「高画質」「ソリューション対応力」などを強化した、「シャープ・カラールネッサンス構想」として取り組んでいくとしている。井淵氏は、「企業での複写機のカラー化の進展、そしてCSR(企業の社会的責任)の高まり、環境および情報セキュリティ対応ニーズの高まりなど、企業が求めるニーズに応える製品作りを行う」ことが、このシャープ・カラールネッサンス構想の基礎となっている。

 環境性能への対応については、トナー消費量を従来機比30%低減した新トナーの開発や、トナーカートリッジの小型・軽量化、サプライパーツの省資源化、リサイクル対応の設計、そして省エネルギー化を促進する。


新開発されたトナー(左)と従来機のトナー(右)。新トナーでは消費量を約30%削減している 従来機のトナーカートリッジ(左)と新しいトナーカートリッジ。小型・軽量化されているのがわかる

次世代カラー複合機のロードマップ(国内)。今回、2005年に投入される新型機の発表は見送られた
 情報セキュリティ機能については、既存製品で実現している本体内のデータの暗号化や使用済みデータの自動消去などに加えて、ネットワーク上のデータの暗号化・不正コピー防止機能の搭載・個人認証機能の強化などを行っていく。

 カラー性能については、モノクロと同等の高速出力をカラー機で実現したり、既存のモノクロ機と同スペースのカラー機を開発することで、企業の置き換え促進を図る考え。また、高画質については、新規トナー採用による高精細画質・色再現性向上・オイルレス定着対応や、独自の画像処理技術によるコピー時の最適モード選択などによって実現する。

 ソリューション対応力については、次世代MFP(Multi Function Printer)プラットフォームのオープン化により、カスタマイズしやすい環境を提供するとしている。

 井淵氏は、「このコンセプトに基づいた新シリーズを2005年秋から順次商品化する。将来的には、全世界のデジタル複合機のカラー化比率を2007年には50%超(金額ベース)にまで拡大し、また2010年には国内市場での台数ベースのシェア20%を目指していく」と述べ、積極的に取り組む姿勢を示した。

 なお、今回発表されたシャープ・カラールネッサンス構想の第一弾となる製品は、3月10日から独ハノーバーで開催される国際情報通信技術見本市「CeBIT 2005」において参考出展される予定。



URL
  シャープ株式会社
  http://www.sharp.co.jp/


( 福浦 一広 )
2005/03/07 17:41

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