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米IBM iSeries担当ゼネラルマネージャー マーク・シアラー氏
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米IBMは2月25日、同社のeServer iSeries(以下、iSeries)向けソリューションやアプリケーションツールの開発パートナーを対象に、1社あたり最大5万ドルの支援を行うプログラム「IBM eServer iSeries Initiative for Innovation」を発表した。これを受け日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は3月7日、米IBM iSeries担当ゼネラルマネージャーのマーク・シアラー氏を招き、国内外における今後のiSeriesの展開を示した。
今回発表されたプログラムは、iSeriesにおけるアプリケーションや、それらを構成するツールの開発ベンダーに対し、RPGなどレガシー言語で書かれたソフトウェアのJavaなどへの移行や、インテルプラットフォーム向けアプリケーションのiSeriesへのマイグレーション、および新規開発の支援を行い、iSeriesのパートナー、および利用の拡大を図るもの。問い合わせに対する無償対応やトレーニング、機器の無償貸出、同社ラボへの招待などが含まれる。
また、米IBMはiSeriesに対する長期的なコミットメントを、ISVやソリューションパートナー、ユーザーらに示す「IBM憲章」を制定し、iSeriesへの投資継続と事業拡大を約束した。
シエラー氏は、これらの目的を「シンプルで信頼性の高い、ビジネス価値を高める設計であるiSeriesの認知拡大とともに、ユーザーが望む新しいアプリケーションをiSeries上で動作させること」とし、このプログラムを「ワールドワイドで約2500社のISVが活用するだろう」と語った。
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IBM eServer iSeries Initiative for Innovationの概要
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IBM憲章の一部
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iSeries事業部長 野々下信也氏
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一方、国内での展開はどうか。1月よりiSeries事業部長に就任した野々下信也氏によると、2004年の傾向として、業務の目的に応じた具体的なソリューションとしてのビジネスが全体の7割に伸び、中堅企業を中心に短期間・低価格でシステムを構築するパッケージソリューションのビジネスが増加したという。
これを受け2005年は、iSeries対応アプリケーションパッケージの拡充に向け、パートナーによる既存のAS/400向けアプリケーションのオープン化(Java対応)を支援する「イノベーション・ラボ」を、4月に箱崎事業所内に開設する。また、Linux、Java、Webなどオープン技術に関する研修プログラムの提供を行うなど、オープン技術への対応を進め、iSeries対応アプリケーション、およびソリューションの拡充を図る方針だ。
また、サーバー統合などによる他社からの置き換えビジネスを強化し、従来、zSeriesやpSeriesが中心だった置き換えの専門組織をiSeriesにも新設する。
野々下氏によるとiSeries、およびAS/400は、「国内で2万台以上」稼働しているとのこと。IBMは、基幹サーバーとしての位置づけを残しつつ、オープン系との連携を進め、x86サーバーなどと一線を画したオフィスコンピュータの拡大をワールドワイドで展開する。
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AS/400と他社製UNIXサーバーとの統合事例
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他社製汎用機やオフコンをiSeriesに統合した事例
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■ URL
日本アイ・ビー・エム株式会社
http://www.ibm.com/jp/
iSeries Initiative for Innovationについて(英語)
http://www.ibm.com/servers/eserver/iseries/innovation/
IBM憲章(英語)
http://www.ibm.com/servers/eserver/iseries/charter/
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( 朝夷 剛士 )
2005/03/07 18:26
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