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“2005年度の商品戦略キーワードはユーティリティ”、パワードコム


専務執行役員 エンタープライズ・セールスカンパニープレジデントの野呂良材氏

Powered Ethernet type Dの概念図

2005年度の商品ロードマップ
 株式会社パワードコムは3月17日、2005年度の法人向け事業についての説明会を開催し、専務執行役員 エンタープライズ・セールスカンパニープレジデントの野呂良材氏が、解説を行った。

 野呂氏によれば、2005年度の同社の商品戦略基本コンセプトは、「ネットワークのユーティリティサービス化に向けて」だという。同氏は「顧客からの、運用管理の負荷を軽減したい、どこからでも使いたい、通信費用を抑えつつ信頼性を確保したい、といったニーズを満たそうとすると、ユーティリティ化ということになる」と述べ、来年度はネットワーク商品の機能を強化するとともに、ユーティリティ化するためのソリューション、コンサル商品も拡充すると述べた。

 具体的な例としてはネットワーク商品分野で、さらなる可用性の向上を目指す広域イーサネットサービス「Powered Ethernet type D」を8月からサービス提供する。パワードコムでは2004年に、ネットワークの停止時間を年間5分程度に抑える、99.999%の可用性を達成したとのことだが、このサービスではこれをさらに向上させ、年間30秒程度の停止時間しかない99.9999%の可用性を目指すという。このため、昨年の停止時間のうち8割を占めたというエッジ周りを強化し、スイッチ、アクセス回線を二重化して提供する。

 また、従来の0AB~J番号をそのまま利用できる、既存のインターネット/広域イーサネットユーザー向けIP電話サービス、インターネットを経由せずに直接広域イーサネットへアクセスできるモバイルサービス、別のキャリアと提携して、キャリア回線自体を二重化しながら、パワードコムが窓口となってワンストップサービスを顧客に提供する「Unify」サービス、なども開始するという。さらに、Powered Ethernet type Dなどによって可用性が向上した広域イーサネットを用いて、距離に依存しない料金体系の高信頼回線を提供する「次世代専用線」サービスも、2006年度中のリリースを目指して展開が進められている。

 一方、インフラだけでなく、ネットワークコンサルティングから提案、設計、構築、保守・運用までをワンストップで行う「おまかせパック」、災害対策のコンサルティングなどもサービス提供を開始しているほか、ASPによるWeb会議、ヘルプデスク、ヘルスケア、マネジメント、消耗品集中購買などのサービスも、順次提供していく予定とのこと。これまでほとんど展開していなかった海外での事業に対しても、海外事業所のLAN環境整備を行うサービスを提供するなど、順次拡充していく意向だ。

 なおパワードコムでは、4000社程度という既存顧客に売り込むとともに、これらの新サービスによって、新規の顧客獲得も積極的に行う。野呂氏は「企業規模1000億円未満の中堅企業や、信頼性・ディザスタリカバリなどを重視する公共・金融機関での伸び率が高い」とし、こうしたところへの売り込みを強化する意向を示すとともに、「当社の法人売り上げは、首都圏周辺で90%を占めている状況なので、それ以外の地域への浸透を強めたい」と述べた。




URL
  株式会社パワードコム
  http://www.poweredcom.net/


( 石井 一志 )
2005/03/17 18:05

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