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住友電気工業、Linuxで構築した基幹業務システムが日本最大級規模に


 住友電気工業株式会社は4月1日、同社が利用する基幹系業務システム用のLinuxサーバーが300台を突破し、日本最大級規模となったと発表した。

 このサーバー群は、同社伊丹製作所内の伊丹コンピュータセンターに設置されており、運用管理は主に住友電工情報システムが担当。1カ所のセンターで管理する基幹系業務システム用Linuxサーバーの台数としては日本最大級となるとしている。

 住友電気工業は基幹系業務システムにおいて1999年にLinuxを全社標準として導入以降、ほぼすべての新規システムの構築でLinuxとJavaの採用決定。2000年には、これにインターネット取引を全面採用した「全社購買システム」が稼動開始し、2004年までに人事、経理、物流などグループ各社で横断的に運用する基幹系システムがLinuxに移行した。

 また、事業グループ別の販売、生産管理システムも順次同システムで稼動をはじめており、この結果2004年末までにこれら基幹系業務システム用のLinuxサーバー台数が300台を突破したという。

 一方Javaの導入は、従来とは設計思想が異なるオブジェクト指向の導入にあたり、汎用機での開発に慣れた開発者の適応が難しく、生産性や保守性の維持が難しくなったという。

 これに対し同社は、1960年代以降進めてきたシステム開発における標準化技術を応用・発展させ、オブジェクト指向の難しさを標準開発部品の中にカプセル化し、部品組立型の工業的なシステム開発を可能とする「Java開発フレームワーク」という開発環境を開発した。また、開発の上流工程にあたるデータベース設計においてもオブジェクト指向でなく、従来通りのデータ中心設計技法を用い、Java開発フレームワークと組み合わせる開発基盤を確立した。

 これにより同社の汎用機系の開発者の多くが、オブジェクト指向を意識することなくJavaシステムを開発できるようになり、しかもJavaの課題であった属人性を排除しCOBOL言語に比べて約3倍の生産性で、高品質、保守が容易な基幹系業務システムを開発できるようになったという。

 このJava開発フレームワークは、住友電工情報システムから「楽々Framework II」として販売されており、他社での基幹系業務システム構築にも活用されている。



URL
  住友電気工業株式会社
  http://www.sei.co.jp/
  住友電工情報システム株式会社
  http://www.sei-info.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.sei-info.co.jp/news/news_linux.html


( 朝夷 剛士 )
2005/04/01 14:20

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