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住商情報システムと住商エレが8月に合併-「両社の長所を伸ばす」


 住商情報システム株式会社と住商エレクトロニクス株式会社は3月31日、両社の合併を発表した。合併期日は8月1日。合併比率は、住商情報システム1に対し、住商エレクトロニクスが0.58。合併後の存続会社は住商情報システムで、合併後の新会社名は未定。

 合併に先立ち、4月1日付で、住商エレクトロニクス代表取締役社長の阿部康行氏が住商情報システムの社長に就任。住商情報システムの代表取締役社長の中川惠史氏は取締役に留任する。また、住商情報システムの代表取締役会長には、住友商事株式会社 副社長執行役員の西條温氏が6月下旬に就任する予定。なお、住商エレクトロニクスの新社長には、同社代表取締役専務執行役員事業部門長の桜井英一氏が4月1日付で就任する。


住商情報システム 前社長の中川惠史氏

住商エレクトロニクスの前社長で、住商情報システム新社長の阿部康行氏
 4月1日に行われた説明会で、住商情報システムの前社長である中川氏は、「IT業界のパラダイムシフトが起きている今、これに対応する力が求められている。従来からいるメンバーだけでいろいろ考えても発想には限界がある。これを乗り越える意味でも、異質の人材を求めていた」と、合併にいたる理由について説明。「住商情報システムのSIとしての技術力と販売力に、住商エレクトロニクスのITプロダクトの調達力・ネットワーク構築力をあわせて、これからの時代に対応していきたい」と述べた。

 同日付で住商情報システムの社長に就任した阿部氏は、「統合によってそれぞれの会社の長所を伸ばしたい」と述べ、3つの分野を中核にした活動内容を紹介した。「まず、ERP・パッケージソフト分野に特化する。この分野に関しては、業界トップクラスを目指したい。2つ目は、特定産業向けSI事業。付加価値創造をはかり、ワンストップでITサービスを提供していく。3つ目は、ITインフラ・アウトソーシング分野。トータルなITサービスの提供により、業界トップ3を目指す」と、両社の得意分野をさらに伸ばしていく考えを示した。

 阿部氏は、住友商事に入社後、約15年間米国でIT投資分野に携わるなど海外での活動期間が長い。そのため、2002年に住商エレクトロニクスの社長に就任したときには、日本企業の考え方と乖離(かいり)した点に反発があったと話す。「外国人のような考え方だといわれたものだが、それを逆手にとって経営改革を断行した」と述べ、同社の業績建て直しに手腕を発揮した。合併会社では、「まず経営インフラの見直しや経営資源の再配分を行う予定」と、住商エレクトロニクスと同様に経営改革を進めるとした。

 住商情報システムおよび住商エレクトロニクスともに、2004年度の通期業績予想を下方修正しており、今回の合併による相乗効果を狙っている。合併会社の具体的な数値目標について、阿部氏は「本日社長に就いたばかりで、責任を持った発言はできない」と述べ、決算説明会でなんらかの目標を説明する考えであるとした。



URL
  住商情報システム株式会社
  http://www.scs.co.jp/
  住商エレクトロニクス株式会社
  http://www.sse.co.jp/
  プレスリリース(PDF)
  http://www.scs.co.jp/news/10new/20050331b.pdf


( 福浦 一広 )
2005/04/01 17:04

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