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左より、サン・マイクロシステムズ代表取締役社長のダン・ミラー氏、米Sun会長兼CEOのスコット・マクニーリ氏、NEC代表取締役執行役員社長の金杉明信氏、NEC執行役員副社長の川村敏郎氏
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日本電気株式会社(以下、NEC)と米Sun Microsystems(以下、Sun)は4月5日、日本およびグローバル市場における戦略的アライアンスの拡大に合意したと発表した。
今回発表された戦略的アライアンスでは、1)SIビジネスの協業強化、2)情報システム技術とネットワーク技術の統合ソリューションの協業、3)ミドルウェア製品の協業、4)ソリューションセンターの強化、の4つの拡大を図る。
NECとSunとは、1993年にSun製品の仕入再販を開始して以来の関係。2000年には、NECはSunのサーバー製品のOEM販売を開始しており、累計出荷台数は約1万台となっている。今回の協業強化について、NEC代表取締役 執行役員社長の金杉明信氏は、「これまではプロダクトベースの関係だった。今回、ソリューション、SIビジネスまで協業関係を拡大する」と説明した。
会見に出席したSun会長兼CEOのスコット・マクニーリ氏は、「SIビジネスを行わないわれわれにとって、技術・ミドルウェア・顧客との関係性などの点で強みがあるNECは、補完的な関係」と両社にとって有意義な協業強化であると強調。NECの金杉氏も、「ITとネットワークの融合という両社共通のビジョンがあったことが協業強化につながった。また、Sunのシンクライアントも魅力的だった」と、それぞれの長所を活かすものであるとした。
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NEC代表取締役執行役員社長の金杉明信氏
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米Sun会長兼CEOのスコット・マクニーリ氏
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SIビジネスの協業強化では、NECが持つオープンミッションクリティカルシステム(OMCS)技術を、Solaris環境にも対応。Solaris環境でのミッションクリティカル性向上に応えるために、プラットフォーム、サポート、システム構築の各分野での戦略的パートナーシップを拡充する。また、NECはSolaris環境のSI対応力の強化を図り、マルチベンダー環境を採用する企業に対しSIビジネスの拡大を目指す。そのほか、Sunのプラットフォーム上で稼動する携帯電話事業者・サービスプロバイダ向けマルチメディアインフォメーションプラットフォーム「NEMIP」を、アジア・ヨーロッパなどグローバルに展開するとしている。
情報システム技術とネットワーク技術の統合ソリューションの協業では、NECのIPテレフォニー製品「UNIVERGE」と、Sunのシンクライアント「Sun Ray」を組み合わせたソリューションを共同で開発する。NECでは、このソリューションを次世代コンタクトセンターシステムとして展開する考えだ。
ミドルウェア製品の協業では、NECのミドルウェア製品群「VALUMOウェア」の主要製品であるサービスプロセス監視製品「WebSAM MCOperations」および業務アプリケーションの保守性、運用性、可用性を高める製品「DiosaGlobe MCOne」と、Sunのサーバーソフトウェア群「Java Enterprise System」を構成するミドルウェア製品との接続性を検証し、連携を強化する。また、アイデンティティ管理ソリューションの構築も進める。NECでは、このアイデンティティ管理ソリューションを社内で導入・検証する予定であるとしている。
ソリューションセンターの強化では、両社のソリューションセンターを強化し、検証・デモなどの環境を顧客に提供する。
Sunは富士通との間で次世代SPARC/Solarisサーバーの開発で協業関係にあるが、金杉氏は「今回の協業強化はあくまでもSIとしての協業強化。まったく違和感がないとはいえないが、顧客のニーズがあれば(富士通製のサーバーも)取り扱う」と述べた。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
米Sun Microsystems
http://www.sun.com/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0504/0501.html
( 福浦 一広 )
2005/04/05 18:14
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