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シスコ、赤坂オフィスに「カスタマ・ブリーフィング・センター」を開設


 シスコシステムズ株式会社(以下、シスコ)は4月14日、顧客の問題解決・提案活動を支援するための施設として、同社赤坂オフィス内に「カスタマ・ブリーフィング・センター(以下、CBC)」を開設した。CBCは、顧客のビジネスを成功に導くことを目的に、そのニーズを理解し最新のビジネスソリューションを提案するために、ブリーフィングおよびデモンストレーション環境を提供しようというもの。


シスコの代表取締役社長、黒澤保樹氏
 現在シスコでは、米国法人のサンノゼ本社にEBC(Executive Briefing Center)を擁している。ここには、将来計画をにらんだ技術・製品・業界動向の情報収集のため、あるいはすでにある具体的な計画の実施にあたって、より深い情報収集やディスカッションして強固なものにするため、さらには具体的な実施のために数日滞在しより詳しい話をするためなどの目的で、世界各国から多くの顧客たちが毎日訪れている。もちろん日本からの顧客も少なくない。一方、現在の同社赤坂オフィスにも、シスコ自体がネットワークやアプリケーションをどう使いこなしているのかを自分の目で確かめに訪れるユーザー企業が、日に5~10社はくだらないそうで、あまりに多数の訪問件数のため、顧客は数カ月待たされることもあるという。このたびのCBC開設は、こうした顧客ニーズに対し、より迅速に応える意味もあるという。

 CBCはすでに米国内が4カ所、カナダに1カ所と、海外では展開されており、このたびの東京・赤坂が6カ所目、北米以外では初になる。代表取締役社長の黒澤保樹氏は「シスコはいつも顧客の方たちの視点でともに成功することがモットー。そのためCBCでは、顧客の方々にネットワークその他のIT活用法を学んでいただくと同時に、より高度化・生産性向上を目指し、競争力も強化しうるよう、ニーズにお応えしたい」と述べた。またマーケティング企画・オペレーション本部 本部長の長沢義一氏は「このたびのCBCでは顧客の成功を第1目標に、ビジネスニーズを理解し、最新ビジネスソリューションを提案するためのブリーフィングやデモンストレーションを行う。この環境は全世界共通で、ここで顧客との関係強化や提案活動を増大させ、セールスサイクルを短縮したい」と新施設の役割を説明した。


CBCの内部風景
 なお、CBCは主としてブリーフィングルーム、デモンストレーション環境、セミナールーム、シスコオフィス環境という4つの環境で構成されている。ブリーフィングルームには、14名収容可能な部屋が2つあり、ここで顧客のビジネスニーズを把握し、シスコのエキスパートによるソリューション製品を紹介した上で、顧客ニーズに沿ったソリューションに関するディスカッションや提案を行う。必要に応じて、ビデオカンファレンスで米国のエグゼクティブやエキスパートも参加、よりディスカッションを深められるようにもなっている。このCBCでは年間500件のブリーフィングを開催予定だ。

 デモンストレーション環境では、「IPネットワーキングによって仕事の進め方・プロセスをどう変えることができるのか、またどう生産性を向上させるのか」ということのヒントとなるようなデモを見せる。このデモは米国のEBCと連携しており、逐次アップグレードできる体制で臨んでいる。

 またセミナールームは最大110名収容可能で、多目的会場として使用することができ、必要に応じて同時通訳ブースも利用可能になっている。そしてシスコオフィス環境は、IPネットワーキングを活用した、どのポジションでも仕事が可能なフリーアドレス環境、無線LAN環境、IPテレフォニー環境などが整備されており、シスコ社員の日常業務における実環境を確かめられるようになっている。

 このたびシスコは、CBCに10億円という額を投資した。とくにブリーフィングルームとデモンストレーションへの投資は比重が大きく、投資の半分弱がこうした関連機材に費やされている。今後も、さらにデモンストレーション充実に向けて注力する構えだ。黒澤社長は「このCBCでは、デモンストレーションなどでEBCとは連携しているものの、スケールはEBCよりも小さい。しかし、日本は世界でもっともブロードバンドやワイヤレス環境が進んだ国だし、市場規模はシスコのワールドワイドでみても2番目。こうした先端技術を顧客がどう使うのか、そこにどういったニーズがあるのかを把握するためにもCBCの果たす役割は大きい。ゆくゆくはもっと拡大してEBCに近づきたい」と意欲的だ。


CBC開所式でテープカットをする黒澤社長(中)ら サーバールーム内に設置されたCBCのネットワーク関連機器 金融業や小売業、製造業などインダストリー別環境のデモンストレーションを行うインフラ機器が並ぶ

「Branch of the Future」と名づけられた、金融業向けデモを行うためのネットワーク構成図。ここでは、IP Phone Service機能による従業員の勤怠管理、研修ビデオの視聴ができるE-LearningとIPフォンシステムの統合、「Customer Care」と呼ぶコールセンターの紹介などを行う Customer Careでの運用例。Webで閲覧したい情報が見つからない顧客がコールセンターに電話し、センターから顧客の求めるコンテンツに誘導する 支店キオスク/銀行Webサイト「Customer Self-Service」の紹介ブース


URL
  シスコシステムズ株式会社
  http://www.cisco.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www.cisco.com/japanese/warp/public/3/jp/news/pr/2005/015.shtml


( 真実井 宣崇 )
2005/04/14 20:30

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