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米Juniper副社長、マルチシャーシルータの先進性をあらためてアピール


米Juniper Networksのプロダクトラインマネジメント担当副社長、ジュディ・ベニンソン氏

デモ稼働中の、TX Matrixプラットフォーム(2004年12月の発表会より)
 ジュニパーネットワークス株式会社は4月18日(以下、ジュニパー)、プレス向けのセミナーを開催し、Eシリーズ、Tシリーズなどのルータを担当している、米Juniper Networksのプロダクトラインマネジメント担当副社長、ジュディ・ベニンソン氏が、同社のコアルータ製品の優位性を主張した。

 ジュニパーのTX Matrixは、2004年12月に発表されたルーティングプラットフォームで、最大4基のコアルータ「T640」を光ファイバーケーブルで接続して、1つの大きな仮想ルータとして動作させるものだ。この際、T640とTX Matrixのベース機器との接続は「すべて背面を使用するため、前面のポートはこれまで通り使用できる点が画期的」(ベニントン氏)という。また現在のジュニパー製品では最高の処理性能を誇るこのプラットフォームでは、T640という、「1000ユニットの実績がある」(同氏)コアルータをそのまま使用してパフォーマンスを拡張できるため、これまでの投資を無駄にしないですむ、という点も長所として数えられている。

 パフォーマンス面でも最大2.5Tbpsまで拡張可能と、高いスペックを持っているものの、単に処理能力だけなら、もっと高い拡張性を有するルータは存在している。たとえば、同社の最大のライバルであるシスコシステムズは、「CRS-1」新コアルータで、最大92Tbpsまでの拡張が可能だとうたっている。しかしベニンソン氏は「TX Matrixでは、最大規模のネットワークベースで考えても、2008年までは対応できるだろう」と、近未来的には十分なスペックを持っている点を強調した上で、「当社ではそれ以降のビジョンも当然持っている」と述べ、今後の製品開発にも余念がないことを主張していた。

 さらにベニンソン氏は「(製品提供が時代の先端より)早すぎると、技術が十分でない可能性が高い」とも述べる。「たとえば、TX Matrixの中で一番コストがかかっているのは光コンポーネントの部分だが、今後はその部分のコストも下がってくる。今現在対応できていないところに関しても、実現可能になるだろう」として、今実現させるよりも、将来的に対応させた方が有利な点も多い、という点も考慮しなくてはならないと語った。

 また、ジュニパーのルータ製品に共通して採用されているOS「JUNOS」についても、優位性を主張する。「当社が設立されたころ、ちょうどUNIXベースのモジュラー型アーキテクチャという、堅牢なつくりを可能にする概念が登場したことは幸運だった」と述べたベニンソン氏は、競合が相次いで投入してきている新OSと比べ、モジュラー型OSの中では歴史がある分、「確固たる基盤を持っているし、ソフトが古くなってしまわないように、常に努力している。(ユーザーからは)見えにくいかもしれないが、アップデートの際には、信頼性を高めるとか、ソフトのアップデートを簡単にするなど、必ずアーキテクチャの部分も強化するようにしている」と述べた。



URL
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://www.juniper.co.jp/

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( 石井 一志 )
2005/04/18 18:33

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