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コグノス代表取締役社長に就任したフォレスト・パーマー氏
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Cognosの2004年第4四半期の地域別売上比率と成長率
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コグノス株式会社は4月21日、代表取締役社長にフォレスト・パーマー氏が4月19日付けで就任したと発表した。前任のジャック・トーマス氏は、同社代表取締役会長兼カナダCognos本社のアジアパシフィック統括責任者に就任する。
パーマー氏は48歳。1984年にCognos本社に入社後、本社のほか日本をはじめとしたアジアパシフィックの各地域を担当し、2001年よりアジア担当マーケティングディレクターを務めていた。同氏は、日本で1年間の実務経験や「父親も何度も日本に来て仕事をしており、その話を聞いていた」ことを挙げ、日本通であることをアピールした。
コグノスは、データベースに蓄積されたさまざまな企業活動のデータを検索・集計し、問題点や課題を発見・分析するOLAP(OnLine Analytical Processing)アプリケーション「PowerPlay」をはじめとしたBI(Business Intelligence)システムの開発やシステム構築を主に手がけるベンダーで、国内では28.7%のトップシェア(2005年富士キメラ総研調査)を持つ。しかしBIは欧米と比較するとまだ認知度や導入実績は少なく、同社全体におけるアジアパシフィック地域の売上は8%にすぎない。しかし2004年第4四半期は前年比で63%の成長を示しており、同氏も「アナリストは日本のBIマーケットを新興市場であり成長の予知が十分にあるといっている、これは我が社にとってよいニュースだ」と述べ、今後の拡大に自信を示した。
それでは、同社はどのようにして国内市場で展開していくのか。同氏が繰り返したのは、欧米で導入した企業がどのようにBIを活用していくかを示す「ベストプラクティスを広め、ユーザーに理解してもらう」こと。一口にBIといってもイメージが漠然としているため、「何ができて企業に何をもたらしてくれるのか」「導入には何が必要か」などの事例やノウハウの提供に力を入れていくことだ。それは「単にレポーティングすることだけでなく、活用していくための業種別テンプレートを(各国から)持ってくることや、データウェアハウスなどインフラ部分の設計なども含まれる」と同氏は付け足した。
「過去10年間のERPやCRMの導入に向けたサイクルは終わり、企業にはこれらから収集したデータがそろっている。今後はそれらをいかに有効活用していくかが企業が次のステップに進むための鍵であり、BI市場が伸びていくための鍵でもなる」(パーマー氏)
同氏は、こうしたデータを活用するにあたり、従来は多くが部門単位での利用であったが、今後は全社すべての組織をカバーしていくことが重要となり、そのためには対応するツールとデータウェアハウスの構築が必要とした。そして今年後半には、これに向けた「エキサイティングで革新的なツール」の提供を始める予定であることを示唆した。
また、ユーザーへの提供方法について同氏は「我々は日本でSIerの役割が大きいことを学んでいる」としながらも、SIer経由と直販の両方のルートを使って展開していく方針を明らかにした。例として同氏は、特定の業界においては、そこに精通するSIerからソリューションとして提供する一方で、自社で活用方法を考える場合や、大企業などがグローバルでBIを導入しプラットフォームを統一したいという要望においては直接取引になるのではないか、との見解を示した。これに向け今後コンサルティング部隊を中心に人員を拡張していく方針だという。
■ URL
コグノス株式会社
http://www.cognos.com/jp/
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( 朝夷 剛士 )
2005/04/21 17:57
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