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米NetApp CEO「エンタープライズでもATAディスクを活用すべき」

VERITAS Vision 2005 基調講演

米Network Appliance CEO Daniel Warmenhoven氏

サーバーに代わりアプリケーションがストレージを管理
 米国サンフランシスコで開催されている米VERITAS Software主催のカンファレンス「VERITAS Vision 2005」の2日目である4月26日(現地時間)、基調講演にはVERITASとパートナー関係である米Network Appliance(NetApp)CEOのDaniel Warmenhoven氏が登場し、同社から見た企業向けストレージの現状を語った。

 VERITASは「ヘテロジニアス環境への対応」を戦略に掲げ、OSやストレージプラットフォームが混在する環境での利用を強調しているが、こうしたプラットフォームを越えたストレージ管理は、従来個々のサーバーが行っていたものをアプリケーションが行うことになる。その結果ストレージインフラの統合化が進み、管理の効率化、複雑性の解消、コスト削減につながる。Warmenhoven氏は、NetAppはユーザーに対してこうした価値を提供するためにVERITASの協力が必要であると、パートナーシップを結ぶ理由を説明した。

 また、効率化やコスト削減には適切なストレージを選択する必要があるとWarmenhoven氏。現状、ストレージインターフェイスは大きく分けて、エンタープライズシステム向けのFC(Fibre Channel)、サーバー向けのSCSI、PC向けのATAがあるが、Warmenhoven氏はFCが必要とされるようなクリティカルな部分は通常10~15%であり、残りはATAなどで十分なところが多いと指摘し、最近はSATAなど高速で信頼性が向上しているストレージが出てきており、これをエンタープライズでも活用すべきとした。

 そこでWarmenhoven氏が強く勧めるのが、バックアップやディザスタリカバリ(DR)のアンカーポイントなど、高速なストレージのバックアップ・アーカイブ向けとなる二次(ニアライン)ストレージでの利用だ。クリティカル性の高い一次ストレージにおけるバックアップなどは必須だが、これらからテープなど低速なストレージへのデータ移動は効率が悪く、またリカバリに時間がかかる。そこで間に安価なATAストレージなどのディスクを置いて、これに一次ストレージからのバックアップデータやスナップショットを保存し、長期保存が必要とされるデータをここからテープに保存する。リカバリは基本的にディスクからデータを送るため、高速に行うことができる。「リカバリにテープで72時間かかったものが72分で済む」(Warmenhoven氏)。

 これは同日に発表されたVERITAS Net Backup 6.0とNetAppストレージの組み合わせで、さらに高速・効率化できる機能があるため、このアピールをした格好だ。

 こうしたバックアップやアーカイブ、DRソリューションは、米国でも災害や法令遵守(コンプライアンス)への対策として関心が高いようだが、特に安定したシステムを持つユーザーなどは、既存のシステムに手を入れ、新しい製品を入れることに抵抗を示すこともあるという。Warmenhoven氏は、これに対し「市場に出たばかりの新しい技術を導入するリスクがある一方で、必要性が高まり普及しつつある技術に対し、なにもしないリスクがある」と指摘した。


リスク曲線とDisk to Disk、Tapeソリューションの位置づけ
 なにもしないリスクとは何か。Warmenhoven氏によると、ITシステムはデータ量の増大などによって複雑さを増す一方であり、コンプライアンス対策など、いずれは必要となる施策が遅れれば遅れるほど導入コストが大きくなるということだ。もちろん、監査などで必要なデータを素早く提出できる準備ができてないと、大きな損失にもつながる。

 「もし、導入リスクに不安がある場合は信頼できるパートナーを探せばいい」とWarmenhoven氏はアピールし講演を締めくくった。



URL
  VERITAS Vision 2005
  http://www.veritas.com/vision/

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( 朝夷 剛士 )
2005/04/27 19:53

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