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レノボ・ジャパン代表取締役社長 向井宏行氏
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レノボ・ジャパン株式会社(以下、レノボ)は5月16日、会社設立の概要と今後の事業方針を説明するセミナーを開催した。事前に行われた記者会見では、代表取締役社長の向井宏行氏がPC販売における新たなパートナープログラムを展開する意向を示した。
レノボは、米IBMがPC事業を中国の聯想集団有限公司に売却したことにともない、米ニューヨークに新たに設立された新会社Lenovoの日本法人として、5月2日より営業を開始している。従業員数は日本IBMのPC事業部からの転籍を中心に640名。ThinkPadの開発を行っている大和事業所のチームも移籍しており、同じメンバーで開発を続ける。
日本のほか、米国や欧州各国、中国をはじめとしたアジアパシフィック地域など17カ国で同時に事業を開始しており、続いて夏ごろには40~50カ国に拡大する予定で「PC会社として今までにないグローバルカンパニーになる」(向井氏)としている。なお、拠点はいずれも各国のIBM社内に構えており、Web上でのPCに関する情報やサポート窓口は、従来と同一で運営している。
向井氏は、製品裏側のラベルなど一部を除き、従来と変わらない思想の製品開発を進める一方で、IBMより少人数となったことによる機動力を生かし、「もっと買いやすく、もっと売りやすく、カバレージを増やすためのパートナー施策」として、「Lenovo ビジネス・パートナー・リセラー・プログラム」を近日中に開始すると述べた。
このプログラムは、従来、リセラーに対してディストリビュータ経由で行われていた情報提供やサポート・教育などの営業支援を、レノボが専任要員より直接提供するほか、販売実績に応じた報奨金制度を新たに導入する。これらにより現在200程度というリセラーを2000以上に増やす計画だ。なお、報奨金の金額などプログラムの具体的な内容については明らかにされなかった。
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新パートナープログラムの概要
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“Think Vantage”などレノボPCの価値をユーザーに伝えるには「従来のプログラムでは不十分」と向井氏
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このように販売網を強化する方針の中で注目されるのが、2001年に撤退しているコンシューマ向けPC事業への再参入だ。これについて向井氏は「全世界で検討中」としながらも、「プロシューマ」と呼ばれるビジネスとコンシューマの間に位置づけられるユーザーにおける利用が拡大していることを挙げ「積極的に検討していく」と前向きな姿勢を見せた。
また向井氏は、今後の事業方針としてクライアントソリューションの提供が中心となる中で、必ずしも製品すべてがPCとなるわけではなく、将来的には「PCは6~7割になる」との見解を述べ、暗に新たな製品展開を模索していることを示した。
■ URL
レノボ・ジャパン株式会社
http://www.lenovo.com/jp/ja/
関連記事:レノボ・ジャパン設立。5月2日より営業開始(PC Watch)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0502/lenovo.htm
■ 関連記事
・ 米IBM、PC部門を17億5000万ドルで中国Lenovoに売却(2004/12/08)
( 朝夷 剛士 )
2005/05/16 16:55
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