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日本HP、中小・中堅市場ビジネスの拡大を目指す「HPスマートオフィス」


HPスマートオフィスの概要

コマーシャルビジネス統括本部長の山下淳一氏
 日本ヒューレット・パッカード株式会社は5月17日、中小・中堅市場向けの事業戦略「HPスマートオフィス 2005 夏」を発表した。また、あわせてマイクロソフト株式会社との中小・中堅市場向け取り組みの強化も発表した。

 HPスマートオフィスは、中小・中堅企業を対象に、それぞれの顧客ニーズに合わせた適切なソリューションを提供する同社の戦略。流通チャネル・直販チャネルなど同社が持つさまざまな販売チャネルを用い、中小・中堅企業のユーザーが選びやすく導入しやすい情報を揃えることで、IT導入を進めるものとなっている。HPスマートオフィスは、2004年7月に提唱されており、ソリューションを中心に同戦略を強化したのが、今回発表された「HPスマートオフィス 2005 夏」となる。

 今回新たに発表されたHPスマートオフィス・ソリューションは、中小・中堅市場で求められる「セキュリティ」「データ保護」「モバイルビジネス」「デジタルコミュニケーション」「業務効率化」の5つのテーマに分類。それぞれのテーマごとに合計14のソリューションが用意されている。同社コマーシャルビジネス統括本部長の山下淳一氏は、「IT投資に積極的な中小・中堅企業に対しては、これまで品質・価格を前面に打ち出し、高い評価をいただいた。しかし、IT投資に積極的でない企業に対してはまだアプローチできていない。こうした層を含めて、中小・中堅企業のニーズを喚起する新しいアプローチがHPスマートオフィス」と述べ、中小・中堅市場の開拓を積極的に進めるとした。

 HPスマートオフィスは戦略の名称であるため、具体的な製品が用意されているわけではないが、PCやIAサーバー、プリンタといったボリュームマーケット向け製品が主になるとしている。「ソリューションとうたっているが、ソフトウェアを売らずにハードウェアだけの場合もある」(山下氏)と、あくまでも顧客の問題解決につながることを第一とした戦略であると説明した。


日本HPとマイクロソフトの協業の内容
 あわせて発表されたマイクロソフトとの取り組み強化は、1)販売パートナー向けポータルサイトの拡充、2)販売パートナー向けトレーニングの開催、3)業務ソフトウェアの推奨構成見積ツールの提供、4)共同コールセンターの開設、などを行うというもの。両社は従来より、戦略的長期提携関係である「Frontline Partnership(FLP)」に基づき、製品やサービスの開発・デリバリ・サポートで協業関係を結んでおり、今回中小・中堅市場のさらなる開拓を目指して協業を強化するとしている。


 中小中堅市場を専門に調査を行っているAccess Markets Internationalによると、日本の中小中堅市場は約3兆5000億円の規模という。また、IT利用の状態で中小企業を分類すると、1)会社戦略で用いている企業、2)ROIの最大化に用いている企業、3)他社の動向を見ながら導入する企業、4)外部の支援を必要とする企業、の4つのセグメントに分けられるという。同社日本代表の稲村潤一郎氏は、「IT販売にあたっては、このうちどのセグメントを対象とするのかで、戦略は変わってくる」と、中小・中堅市場を開拓するためにも、それぞれの利用法やニーズに沿った戦略が必要であると述べた。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  ニュースリリース
  http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2005/fy05-092.html
  http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2005/fy05-093.html
  HPスマートオフィス
  http://www.hp.com/jp/smb/


( 福浦 一広 )
2005/05/17 18:04

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