|
新しくボーランド株式会社の代表取締役社長に就任した河原正也氏
|
5月1日付けでボーランド株式会社(以下、ボーランド)の代表取締役社長に就任した河原正也氏が、26日都内において社長就任記者会見を行った。河原氏は日本ヒューレット・パッカード株式会社、および米Hewlett-Packard社において、アジア・パシフィック コンサルティング バイス プレジデントや、中国ビジネス統括本部長兼理事などを歴任した人物であり、国内外のIT分野で30年以上の経験を持つ。ボーランドへの入社理由について河原氏は、「ボーランドの提唱するSDO(Software Delivery Optimization)ビジョンに共感したため」と語る。
この50年における日本の産業について河原氏は、アナログのモノの時代、アナログコンテンツの時代、デジタルのモノの時代を経て、現在はデジタルコンテンツの時代になっているという。「デジタルのコンテンツ、つまりソフトウェアこそが、これからの日本の産業がすすむべき道」とした。しかし同時に、「ソフトウェア開発の現場では、開発プロセスが確立されておらず、人の勘と体力に依存している」と問題を指摘する。さらに「ソフトウェア開発の現場が過酷であるため、ソフトウェア工学を専攻する学生も減少している。若いエンジニアに肉体労働をさせるのはもう終わりにしなければならない」と語気を強め、「SDOこそ日本のソフト産業の活性化のヒントであり、日本産業再生の道である」と語った。
河原氏はコンサルティング事業において長年のキャリアを持ち、日本をはじめとするアジア地域においては、コンサルティングの第一人者としても知られている。また、ボーランドもSDOビジョンの実現のために米テラクエスト社を買収し、今後は開発ツールのベンダーとしてだけではなく、コンサルタントベースのダイレクトセールスにも力を入れていくことを明らかにしている。今回の人事について河原氏自身も「ボーランドが今までのような開発ツールだけのベンダーであれば、私を社長に選ぶことはなかった」と語り、今後のボーランドが単なるツールベンダーではなく、コンサルティングなども含めてソフトウェア開発の効率化を推進する企業となることをアピールした。
■ URL
ボーランド株式会社
http://www.borland.co.jp/
ニュースリリース
http://www.borland.co.jp/news/20050509_borland_president.html
( 北原 静香 )
2005/05/26 17:29
|