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マイクロソフトの「顔が見える企業」を目指した取り組みとは?


ビジネスマーケティング戦略本部 市場戦略グループマネージャ 梅田成二氏

マイクロソフトから見たサーバーOSの位置づけ

ユーザーがOSを選択する際に重要視する項目
 マイクロソフト株式会社が2004年より始めた、業務システムにおけるWindowsとLinuxを第三者機関の調査結果を基に比較して、Windowsの優位性を説く「Get the Factキャンペーン」は、現在もなお展開中だ。同キャンペーンサイトには内外での多数のレポート、および22の導入事例が公開されており、今後も継続していくとしている。

 一方で、6月1日より3日間開催されたLinux World Expo Tokyo 2005では、Microsoft全社としても初めて基調講演を行うなど、オープンソースコミュニティなどと積極的にかかわりをもって「顔が見えないマイクロソフトを変えたい」とする動きを見せている。同社は6月8日、記者向けの説明会を開催し、こうした動向の目的を、最近発表された調査結果とともに解説した。

 同社が公開している調査結果や導入事例は、基本的にLinuxがオープンソースであるためWindowsより安価でセキュアだとする認識に対し、データや顧客の声を基に、それらの“誤解”を解き、Windowsの優位性を主張する目的が込められている。しかし、オープンからプロプライエタリなものまで、さまざまなプラットフォームがある中、すべてにおいてWindowsが優位であるわけではないことは同社も認めている。キャンペーンを指揮するビジネスマーケティング戦略本部 市場戦略グループマネージャの梅田成二氏も「目的に応じて最適なものを選ぶべき」と話す。

 それでは同社はどういった点でWindowsが優位と主張しているのか。それは「gooリサーチ・ビジネス」調査による、業務システムをレガシーシステム(メインフレームやオフコン)や商用UNIXからWindows・Linuxに移行したユーザーへのアンケート結果に表れたようだ。

 同調査によると、移行経験があるユーザーのうち、75%以上が「移行先はWindows」と回答した。また、移行元がレガシーの場合、Windowsにしたユーザーは平均で31.1%運営費を削減できたのに対し、Linuxにしたユーザーは平均16.6%の削減にとどまったという。しかし、移行元が商用UNIXの場合だと、Windowsは16.0%だったのに対しLinuxは35.2%と「逆転現象が起こっている」(三菱総合研究所 情報環境研究本部主任研究員 条野文洋氏)。こうしたことは、Windowsへの移行の場合は運用の外部委託費の削減率が大きいのに対し、Linuxはハードウェアの保守費削減率が大きいなど、費用の削減要因が異なることから起きるものだ。

 つまり、マイクロソフトとしては、こうした調査結果などから自社製品と他社製品の特徴をつかみ、顧客など外部に強くアピールするとともに、弱点や要望を吸収するという「基本的な」活動を大々的に行っているといえる。

 同社では中堅・中小企業で競合する商談がある顧客を訪問し、Linuxなどが選ばれる理由も調査しているという。これによると、ユーザーのLinuxに対する理解が進んでおり、以前のような「宗教的」ではなく、合理的な選択を求めているという。しかし、ITに何ができて、何ができないか、ITの現状とこれからなどといった情報が不足している、と同社は分析しており、今後キャンペーンやユーザー、コミュニティなどと交流を深め、理解の促進に努めるとしている。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  Get the Factキャンペーン
  http://www.microsoft.com/japan/windowsserversystem/facts/default.mspx


( 朝夷 剛士 )
2005/06/08 20:30

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