|
米CAのジョン・スウィンソンCEO兼社長
|
米Computer Associates International, Inc.(以下、CA)のジョン・スウィンソンCEO兼社長が来日し、今年4月に実施した組織再編の狙いや、日本市場における展開などについて語った。
同氏がCAのCEOとして来日したのは初めてのこと。報道関係者向けの会見のほかに、イベントでの講演、パートナー企業や、ユーザー企業のCIOとの面談などが今回の来日の目的。
スウィンソンCEOは、「CAは、米国市場を中心に厳しい状況にあったが、新たなマネジメントチームと、エンタープライズマネジメント市場の変化に、柔軟に対応できる組織体制の確立によって、成長戦略にフォーカスすることができるようになった」と前置きし、「成長戦略には、システムマネジメントソリューションを提供することによる有機的成長、最近の米Concord Communicationsの買収のような企業買収による成長、そして国際的な成長の3つの要素がある。なかでも、国際的な成長では、日本、中国、インド、東欧といった米国以外の市場での成長がポイントとなり、日本は戦略的に見ても重要度の高い国である。日本で成功したモデルを、世界に展開していくといったことにも取り組みたい」とした。
日本における戦略の柱としては、パートナーシップとセキュリティへの取り組みを掲げる。
「日本でビジネスを成功させる鍵は、いかに強力なパートナーシップを組むことができるかに尽きる。今回の来日でも、パートナー企業との話し合いの場を持ち、日本における協力関係を深めた」とした。
また、「日本では、個人情報保護法の施行という背景もあり、セキュリティに対する関心が高まっていると理解している。アイデンティティ管理やアクセス管理など、日本の顧客に対して役に立つセキュリティソリューションを提供できる。EIM(エンタープライズ・インフラ・マネジメント)という当社の考え方によって、メインフレームからクライアントPCまでのソリューションが提供可能なのも当社の強みだ」とした。
一方、スウィンソンCEOは、質疑応答のなかで、「Microsoftとの関係には今後もなんら変化がない。現在でも、Microsoftのプラットフォーム上で、10億ドルの事業を行っており、当社ならではの価値をこのプラットフォームの上で提供できる。しかし、Microsoftのプラットフォームだけでなく、さまざまなプラットフォームのコンビネーションを提供できるのがCAの強み」とした。
さらに、4月からの新たな体制については、「まだ評価できる時期にはない」としながらも、「開発、マーケティングがより顧客に近いところでビジネスを行えるように組み替えた。成果の創出に向けた方向性は示せた」などとした。
また、VERITAS SoftwareとSymantecの合併については、「CA化を狙ったもの」と表現。「セキュリティとストレージマネジメントの組み合わせは、CAと同じ方向を目指したといえるが、システムマネジメント能力がない。ここがCAにあって、VERITAS、Symantecにはないものである。その点では、彼らはもう一度、どこかを買収する必要があるだろう。セキュリティ、システムマネジメントのソリューションを、メインフレームからPCまで包括的に提供できるのはCAの強みだ」と訴えた。
■ URL
コンピュータ・アソシエイツ株式会社
http://www.caj.co.jp/
プレスリリース
http://www.caj.co.jp/press/2005/06/strategy_js.htm
プレスリリース(CA、ビジネスユニットを再編)
http://www.caj.co.jp/press/2005/04/bus_unit.htm
( 大河原 克行 )
2005/06/09 13:11
|