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エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部長、榎本敏之氏
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日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は6月14日、レガシーシステムのマイグレーションを促進するため、日本ユニシス株式会社のミドルウェア「MIDMOST」の取り扱いを開始すると発表した。日本HPでは、Windows Serverと、同社のハイエンドIPFサーバー「HP Integrity Superdome」、MIDMOSTといった組み合わせの提供を開始することで、レガシーシステムからの移行の選択肢を増やし、ビジネスの拡大につなげたい考え。
日本HPでは、メインフレームとRISCサーバーなどをレガシーシステムと位置付けているが、これらの、「まだ(出荷金額ベースで)半分近く残っているレガシーシステムを、業界標準アーキテクチャに変えていくことを大きな目標にしている」(エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 ビジネスクリティカルサーバ製品本部長、榎本敏之氏)という。
そのため、レガシーマイグレーションにおいて、ハードウェアプラットフォームとして大きな役割を果たすSuperdomeサーバーを、UNIX(HP-UX)、Linux、Windowsの各プラットフォームに対応させ、それぞれの分野で施策を展開してきた。たとえばLinux分野では、この4月に、レッドハットの最新サーバーOSであるRed Hat Enterprise Linux 4への対応や、Linuxへの仮想化技術適用範囲拡大表明といった施策を実施している。
そうした中、今回はWindows分野での対応を強化するため、MIDMOSTの取り扱いを始める。MIDMOSTは、日本ユニシスが培ってきた経験をもとに開発されたミドルウェア。汎用機向けのオンラインミドルウェア「XIS」と同等の機能をオープンシステム環境向けに提供でき、トランザクション制御、バックアップ/リカバリなどの機能によって、基幹系システムで必須とされる安全性、堅牢性を実現するという。
日本HPによれば、すでにSuperdomeとWindows Server 2003の組み合わせのもと、32Way以上の大規模データベース環境は多数稼働しているとのことだが、榎本本部長は、「MIDMOSTによって、データベースより上のレイヤでも、Windowsによるレガシーマイグレーションを行える環境を整えられた」と述べ、これまでよりもWindowsの適用範囲を広げることによって、よりいっそうの新規需要開拓につなげたい姿勢を示した。
なお日本HPではこれ以外にも、マイクロソフトと共同で開設している検証施設「ジョイント・ミッション・クリティカル・サポート・センター」への、専用Superdome提供などの強化策や、マイクロソフトの次期DBであるSQL Server 2005の早期検証、Windows環境での従量課金制導入といった施策も実施しており、多面的に、Windows環境での導入を伸ばすための施策を行っていく。
なお日本HPでは、Windows、Superdome、MIDMOSTの組み合わせによって、今後1年間で10システム以上のリプレース案件を獲得したいとしている。
■ URL
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
ニュースリリース
http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2005/fy05-119.html
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( 石井 一志 )
2005/06/14 13:13
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