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日本BEA、サービス連携を推進する新ビジョン、SOAベースの新製品群も発表


米BEAのワールドワイド・プロダクト・マーケティング担当副社長、ビル・ロス氏
 日本BEAシステムズ株式会社(以下、日本BEA)は6月21日、同社の新たなビジョン「Enterprise Liquid Assets」と、「BEA AquaLogic」製品ファミリを発表した。これらはもともと6月9日に、米BEAが米国で発表したもの。

 米BEAのワールドワイド・プロダクト・マーケティング担当副社長、ビル・ロス氏によれば、「かつて、1980年代から1990年代にかけてはOSの上でアプリケーションが構築されており、別のOSへアプリケーションを動かそうとしても難しかった」という。しかしJavaの登場とともにアプリケーション・インフラストラクチャという概念が登場し、インフラはあまり気にする必要がなくなった。

 BEAではこの時代にWebLogic ServerやTuxedoを提供し、企業はこうしたインフラの上でアプリケーションを作るようになった。しかし、1つのアプリケーションが別のアプリケーションと通信しようとすると、コストが非常にかかるという問題が生まれてしまったという。そこでBEAでは、その上に「サービス・インフラストラクチャ」というレイヤをかぶせることで、アプリケーション/サービスが密な連携を行えるようにする。

 ロス氏は、「これによって、企業は“コンポジット・アプリケーション”を容易に作り出すことができるだろう」と述べ、その核となる技術としてSOAを用いると説明する。「WebLogicを使用するとアプリケーションのサービス化が可能になる。そしてサービス化が図られたアプリケーションで、容易にコンポジット・アプリケーションが作れるのがAquaLogicだ」(同氏)。

 BEAはこれを実現するため、まずESB(エンタープライズ・サービスバス)とWebサービス管理の両機能を1つにした「BEA AquaLogic Service Bus」と、企業内のデータソースを統合し、単一のビューを提供する「BEA AquaLogic Data Services Platform」を市場へ投入する。国内でも日本BEAから、前者が夏に、後者が7月に提供開始される予定だ。

 加えて今後、レジストリ製品「BEA AquaLogic Service Registr」、アプリケーションからセキュリティサービスを利用できるようにするための「BEA AquaLogic Enterprise Security」なども、順次製品化が行われていくとのこと。「アプリケーション・インフラストラクチャの市場は、将来はワールドワイドで90億円規模になる。ここに一番乗りすることで、うまくすれば20~30%のシェアを取れるのではないか」(ロス氏)。

 なおこれらの製品群では、コーディングを行わなくとも、コンフィグ作業などを行うことでコンポジット・アプリケーションの作成が行えるようになっているという。「AquaLogicでは、たとえば、今はオラクルやSAPのアプリケーション設定を担当している人を対象としたい」と説明したロス氏は、「開発には、1人あたりの生産性の限界がある。AquaLogicによって、開発者だけでなく、ユーザーのニーズも満たせるようになるだろう」と述べた。



URL
  日本BEAシステムズ株式会社
  http://www.beasys.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.beasys.co.jp/news/japan/2005/20050621.html


( 石井 一志 )
2005/06/21 21:45

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