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米Adobe、2005年度第2四半期売上高は過去最高の4億9600万ドル


代表取締役社長の石井幹氏
 アドビシステムズ株式会社は6月22日、米Adobe Systemsが6月16日(米国時間)に発表した2005年度第2四半期および上半期の決算と、同社の2005年度下半期のマーケティング戦略に関する説明会を行った。

 ワールドワイドでの2005年度第2四半期の売上は対前年同期比21%増の4億9600万ドルと、四半期売上高では同社創立以来最高の売上を達成した。純利益は対前年同期比37%増の1億4980万ドル。2005年度上半期では、売上高は対前年同期比16%増の9億6890万ドル、純利益は対前年同期比30%増の3億170万ドルという結果となった。業績好調を反映し、2005年度のワールドワイドの売上高を19億2500万ドルと上方修正したこともあわせて発表された。

 この結果について、代表取締役社長の石井幹氏は、「第2四半期については、Creative Suite 2の販売が好調であったのが大きな要因。上半期では、Acrobatファミリーの需要拡大が大きく貢献した」と、特定製品に偏らずバランスよく販売が好調であったと説明した。


下半期は好調のAcrobatファミリーとCS2を中心に展開

 2005年度下半期のマーケティング戦略について、同社が手がけるインテリジェントドキュメント、クリエイティブプロ、デジタルイメージ&ビデオの各事業単位で説明を行った。

 もっとも成長している分野として紹介されたインテリジェントドキュメント事業では、上半期にAcrobat 7.0への移行が進んでいることや、官公庁・大企業でのサーバーソリューションの導入が進んでいることを紹介。下半期では、建設・建築業などでのAcrobatファミリーの浸透、およびLiveCycleの新製品の投入などを行うとした。


インテリジェントドキュメントの一製品である「LiveCycle Barcoded Forms」の利用シーン。PDFのフォームに入力したデータを2次元バーコード化することで、再入力の工程を大幅に短縮できる LiveCycle Barcoded Formsを利用したPDFフォーム。入力した内容が右上の2次元バーコードに反映。印刷したあともこのバーコードを読み取ることで、入力データを再現できる

 クリエイティブプロ事業では、先日発表されたAdobe Creative Suite 2の投入を軸に展開すると説明。特に、印刷用途だけでなく、Webやモバイルなどへの出力にも焦点をあわせていくとした。

 デジタルイメージ&ビデオ事業については、ハイエンドユーザーが満足する製品を提供するとともに、Photoshop ElementsやPremiere Elementsなどエントリー向け製品まで、幅広く展開していくとした。また、同社製品が映画やテレビなどでも利用されている例もあわせて紹介、「映画や放送分野での導入促進を今後も進めていく」とした。

 説明会では、米Adobeによる米Macromedia買収についての質問が出たが、石井氏は「まだ承認を得たわけではないので、現時点では何も語れない」と説明。事業内容が重なる製品もあり、買収後の製品構成などがどのようになるか気になるところだが、「具体的な製品の連携や統合などは、買収後の話になるだろう。現時点で開発を進めている製品もあるので、両社の製品を統合するなどの動きは来年以降になるのではないか」とまだ未確定であると述べている。なお、現時点では現場のチームとは完全に切り離された組織統合専任チームを作り、合併後のビジネスを検討している段階であることも明らかにされた。



URL
  アドビシステムズ株式会社
  http://www.adobe.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.adobe.co.jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/200506/20050622q2.html


( 福浦 一広 )
2005/06/22 15:27

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