|
Oracleのアプリケーション開発担当上級副社長、ジョン・ウーキー氏
|
日本オラクル株式会社は6月23日、ビジネスアプリケーションの統合プロジェクトである「プロジェクト・フュージョン」を発表した。同計画は、米Oracleが持つアプリケーション製品群「Oracle Applications」を統合し、次世代アプリケーションを開発するもの。
この計画はすでに米国では1月に発表されており、国内でも4月に、日本ピープルソフトからロードマップとして示されている。その際はOracleのアジア・パシフィック統括上級副社長、デレク・H・ウイリアムズ氏らから説明がなされたが、今回の発表内容もほぼ同様のものとなった。
Oracleでは現在ビジネスアプリケーションに、Oracle E-Business Suite、JD Edwards EnterpriseOne、PeopleSoft Enterpriseといった複数の製品ラインができてしまっている。そこで同社では、これらをすべて統合した新しいアプリケーションスイートを、2008年までに開発しようとしているのである。複数の製品ラインを“融合”することから、「フュージョン」という名前が与えられているわけだ。
今回説明に立ったOracleのアプリケーション開発担当上級副社長、ジョン・ウーキー氏は、「これからのアプリケーションには、情報指向、標準指向、インダストリ指向であるべき」ということを再三強調。プロジェクト・フュージョンは、こうした要件をすべて満たすものになると主張する。
またウーキー上級副社長は、“継続性”も重要な点だとした。これもOracleが繰り返しアナウンスしている点で、今回、同副社長は具体的なロードマップには触れなかったものの、4月の時点でウイリアムズ上級副社長が「2006年に現行製品(JD Edwards Worldを除く)それぞれの新版を提供するほか、サポートを最低でも2013年までは提供する」ことを明らかにしており、ウーキー上級副社長も「顧客の投資を無駄にしないためにも、より価値の高い、機能性の高いものを継続して提供するとともに、将来の方向性をはっきりさせる」と述べた。
加えてOracleでは、プロジェクト・フュージョンに向けて、ミドルウェア基盤を再構成し、「オラクル・フュージョン・ミドルウェア」として提供していくという。この新しい基盤では、データ統合ソフト「Oracle Data Hubs」製品群によって異なるシステム間のデータ統合を実現しつつ、BIやCRMといった各種機能を実装していくとのこと。
日本オラクルでも、すでに全社の顧客データを統合する「Customer Data Hub」の提供をはじめており、製品情報を一元化する「Product Information Management Data Hub」、企業グループの会計情報を統合するための「Financial Consolidation Hub」、の2製品を2005年秋に出荷するほか、今後も各種データ統合製品を提供していくとしている。
■ URL
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
■ 関連記事
・ 米Oracle、新生会社の製品ロードマップやビジョンを明らかに(2005/01/19)
・ 米Oracleと日本ピープルソフトが統合後のロードマップを説明(2005/04/19)
( 石井 一志 )
2005/06/23 17:24
|