Enterprise Watch
最新ニュース

ビル・ゲイツ氏、「今後も開発者のために最適な環境を提供する」

ソフトウエア開発環境展/データウェアハウス&CRM EXPO 基調講演

 6月29日から7月1日まで東京ビックサイトにて「ソフトウエア開発環境展」および「データウェアハウス&CRM EXPO」(主催、リードエグジビジョンジャパン株式会社)が開催されている。6月29日には、米Microsoft会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏が「相互運用性実現のためのソフトウェア戦略」と題した基調講演を行った。


米Microsoft会長兼チーフソフトウェアアーキテクトのビル・ゲイツ氏
 ゲイツ氏はまず、ソフトウェアが現在黄金時代を迎えていると指摘。「プロセッサのトランジスタ数は2年に1回倍増するというムーアの法則は今後10年間は続く。これによりハードウェアのパフォーマンスは非常に向上している。サーバーも同様で、Windows搭載システムは、UNIXやメインフレームのベンチマークを上回っている」と、クライアントからミッションクリティカルシステムまで、同じWindowsベースの開発環境が利用できるメリットを強調した。

 また、さまざまなデバイスが相互に接続することで、ソフトウェア開発者にとっては新しいビジネスチャンスが生まれていると述べた。「PCだけでなく、KDDIのハイブリッド端末やNTTのフレッツフォン端末、そしてハローキティロボットにもWindowsベースのOSが搭載されている」と、Windowsプラットフォームがさまざまな場面で使われていることを紹介した。

 こうしたWindowsプラットフォームの広がりに対して、同社としては、ソフトウェア開発者、IT部門の管理者、インフォメーションワーカーに対して、より生産性を向上できる製品を提供するとした。

 開発者向けの製品としては、年末のリリースが予定されているVisual Studio 2005とSQL Server 2005を紹介した。「新しいVisual Studioは、書くコードの行数が少なくなった。これは生産性向上に大きく貢献する」と説明。デモでも、必要なコードを自動的に入力する機能や、コードエラーの自動修正機能などが紹介された。また、Visual StudioからSQL Serverの開発が容易に行える点なども紹介するなど、統合開発環境としてのメリットを強調した。

 また、IT部門の管理者に対しては、SQL ServerおよびVisual Studioによって、コスト削減効果があることを紹介。「SQL Server 2005では、64ビット環境をフルに活用できる。Microsoft社内でも、会計ソフトを64ビットSQL Serverに移行し、コスト削減を実現した」と、64ビットサーバーとSQL Server 2005によるTCO削減にも触れた。アプリケーションの配布についても、Visual Studio 2005のWeb配布機能により、ユーザーに最新のアプリケーションを配布できるメリットを紹介。「WebサーバーにVisual Studioでコンパイルしたプログラムをそのまま配置できる。1台1台のマシンにインストール必要がなく、常に最新版を公開できるメリットがある」と、管理者にとっても有効であるとした。

 インフォメーションワーカーに対しては、来年リリース予定のOffice 12を紹介。「新しいOfficeでは、XMLを標準フォーマットにするなど、より連携を意識したものとなっている。基幹システムとの統合も実現されるなど、使い慣れた環境から企業内に分散したさまざまな情報にアクセスできる」と、相互接続性が強化されている点を強調した。

 最後にゲイツ氏は、「今年はVisual Studio 2005とSQL Server 2005という2つの大きな製品をリリースする。来年になれば、Office 12とLonghornの2つの大きな製品をリリースする。Microsoftは、プラットフォームとツールでソフトウェア開発に貢献していく。しかし、ソフトウェアの革新に対して本当にインパクトがあるものは、みなさまが作るアプリケーションにある。新しいプラットフォームに、どのようなアプリケーションを書いていただけるのか、非常に期待している」と述べ、講演を締めくくった。



URL
  米Microsoft
  http://www.microsoft.com/
  ソフトウエア開発環境展
  http://www.sodec.jp/
  データウェアハウス&CRM EXPO
  http://www.dwh-crm.jp/


( 福浦 一広 )
2005/06/29 17:02

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.