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IDC Japan、ストレージ中期予測を発表、「セグメント間で成長機会のシフトが進む」


【出典:IDC Japan】国内ディスクストレージの売り上げ・出荷容量予測
 IDC Japan株式会社は7月5日、国内ディスクストレージシステムの中期予測を発表した。

 IDC Japanによると、国内ディスクストレージシステムの2004年の売り上げは前年比2.2%減の2956億5100万円で、3年連続のマイナス成長になったという。IDC Japanでは、2004年がマイナス成長となった大きな要因として、内蔵型ディスクストレージシステムの落ち込みが影響していることを挙げた。

 一方で、同年の外付け型オープンシステム/ディスクストレージシステム(UNIX、Windows、Linux、NOSの合計)のセグメントでは、3年ぶりにプラス成長に転じており、セグメント間で格差が生まれている現状を示した。IDC Japanでは、2009年までの間、さらに成長する分野と縮小する分野の差が明確になると分析する。

 また2004年の同分野の出荷容量は前年比57.9%増えた96.1PBで、2009年までの年間平均成長率も、59.6%と高い伸びが予測されている。これは、これまで出荷容量の伸びを引っ張ってきたデータベースやERPなどの構造型データに加えて、「メール、Web、研究開発、コンプライアンス対応の文書データといった、非構造型データの急増が予測されるため」(IDC Japan)という。

 また同社ではあわせて、ATA/SATA HDDを搭載した、バックアップ/アーカイブ向けのコストの安いディスクストレージシステムが普及することも、出荷容量の高い伸びを下支えするだろうと予測している。なお2009年までの国内ディスクストレージシステム全体で、売り上げの年間平均成長率は0.4%と予測されているが、出荷容量の成長率との間で大幅な差が生じているのは、「期間を通じてGB単価が低下すると予測されるため」とのこと。

 さらに今回の予測を外付け型と内蔵型に分割してみた場合、外付け型の年間平均成長率は、売り上げが1.6%、出荷容量が65.4%といずれも予測の平均を上回るのに対し、内蔵型は売り上げがマイナス4.6%、出荷容量が43.6%と低調になっており、IDCでは「内蔵型からより信頼性や拡張性に優れた外付け型への需要シフトが進むと考えられる」ことから、このような結果になるとしている。

 加えて同社は、外付け型の成長をけん引するセグメントも、これまでのメインフレームやUNIXから、WindowsとLinuxへシフトすると予測。さらに環境別では、DASが減少する一方、FC SANやNASなどのネットワークストレージがより重要になってくるとし、FC SANで13.1%、NASで13.9%という、高い年間平均成長率を予測している。



URL
  IDC Japan株式会社
  http://www.idcjapan.co.jp/

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  ・ ストレージの売上と出荷容量で成長率に大きな差-IDC予測(2004/09/28)


( 石井 一志 )
2005/07/05 17:59

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