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米Adobe SystemsインテリジェントドキュメントBU マーケティング担当バイスプレジデントのユージン・リー氏
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エンタープライズマーケティング部 部長の小島英揮氏
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アドビ株式会社は7月5日、同社のインテリジェントドキュメント部門の2005年下半期の事業戦略説明会を開催した。あわせて、同社が現在開発中のプロセスマネジメント製品についても説明が行われた。
同社のインテリジェントドキュメント部門は、AcrobatファミリーおよびLiveCycleサーバーといったPDFをベースとした製品を取り扱う部門。米Adobe SystemsインテリジェントドキュメントBU マーケティング担当バイスプレジデントのユージン・リー氏は、「LiveCycle関連製品の売上高をみても、2003年の6500万ドルから2004年の1億300万ドルと約50%の伸びとなった」と、同社にとってもっとも成長している部門であると説明した。
LiveCycleはJ2EEベースのアプリケーションサーバー。PDFの各種作成機能を提供する「ドキュメント生成」、コメント機能や承認などを実現する「コラボレーション」、閲覧権限や有効期限といったポリシー設定機能や電子署名・電子認証などを提供する「ドキュメントコントロール&セキュリティ」、フォーム処理の自動化やバックエンドシステムとの統合などを実現する「プロセスマネジメント」の4つの機能が提供される。
同社では、金融サービス・行政・製造・製薬の各業界に特化した「Go-To-Market戦略」を2005年度のLiveCycleのマーケティング戦略として掲げている。金融では、新規顧客獲得のために、口座開設の合理化や保険申請手続き、ローン処理などといった場面でLiveCycleを用いたソリューションを提案。また、行政についても各国政府がeガバメントを掲げており、LiveCycleが有効だという。製造業についても、設計図などを安全に配布する手段としてポリシー設定が可能なLiveCycleが効果的であり、製薬についても膨大になるドキュメントの管理に利用できるとし、これらの業界を中心に展開していくとした。
日本市場でもワールドワイドの戦略に沿った形でターゲット業種を絞って展開するという。同社エンタープライズマーケティング部 部長の小島英揮氏は、「日本ではPDFの浸透度の高い業界、および不特定多数の人を対象とした業務を行う業界にターゲットを絞って展開する。具体的には、官公庁や製造業、金融業が対象となる」と述べた。また、個人情報保護法やe文書法の施行により、可用性とセキュリティの両立が求められる現状について、「LiveCycleを用いることで、これらの問題は解決できる」と、積極的に展開する考えであることを示した。
ただし、同社単独で展開するのではなく、SIパートナーとの協業により各種ソリューションを提供するとしている。また、開発者向け支援サイトなどを開設し、「LiveCycle製品の企業内での利用も促進したい」(小島氏)とした。
■ プロセスマネジメントの新製品は「近日中」に発売
説明会では、プロセスマネジメントの新製品「Adobe LiveCycle Workflow(仮称)」も紹介。プロセスマネジメントの5つの工程である、設計・統合・展開・管理・最適化をすべてカバーした製品になるという。小島氏は、「ひとつのデザインツールでバックエンドとの連携も表現可能。また、以前はスクリプトを用いていたため再利用が難しかったが、新製品ではプロセスを再利用可能なコンポーネント化しているのも特長」と説明した。
現在利用者の声を集めている段階で、米国でもまだ正式発表されていないという。そのため、新製品の発売時期について聞かれたリー氏は、「近日中」と具体的な発売時期については明言を避けた。
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新製品のフローダイアグラム
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新製品のモニタリング機能
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■ URL
アドビシステムズ株式会社
http://www.adobe.co.jp/
( 福浦 一広 )
2005/07/05 19:10
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