IDC Japan株式会社は7月6日、国内企業におけるCIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)に関する調査結果を発表した。調査が行われたのは2005年3月で対象は国内268社。
これによると、CIO(またはシステム業務統括者)を置いているユーザー企業は、全体の64%で、そのうち取締役会役員などが兼任している企業が最も多い34%を占めた。ユーザー企業の経営戦略においてIT戦略の占める比重が高まるなか、CIOを設置する企業は増加傾向にあるという。
そのような企業の大多数は、自社の経営課題として「コスト削減」を挙げ、また、自社が直面しているITに関する課題としては、「システム運用管理コスト削減」を挙げており、両面においてコスト削減課題の優先度が高い傾向にあるという。
また、「予算・人材面における新規投資リソース不足」や「技術革新・変化への対応」など、新規IT投資意欲が即実行に結びつかないことや、進化の激しい情報技術への対応を課題にした企業も多い結果となっている。
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国内企業のCIO設置状況
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国内企業の経営課題
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国内企業のIT課題
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一方、企業がかかえる課題が複雑化する中、自社内のリソースに頼るよりも、社外の専門性や知識を積極的に活用することで迅速かつ効果的な解決策を必要としているケースも増えているという。IDCでは、今後ユーザー企業のCIOらはITサービスベンダーに対し、システム業務の運用や戦略性の高いアドバイザリー的役割を求めることになるとみている。
IDC Japan ITサービス担当シニアマーケットアナリスト 柏木成美氏は「従来、ユーザー企業におけるテクノロジー導入の促進役であったベンダーに求められる守備範囲が経営・業務面にまで拡大しつつある。ユーザー企業が抱える本質的課題を理解し、実現可能なシステム化計画の提案・実行ができる“行動型”エンジニア集団の育成が重要となる」と述べている。
■ URL
IDC Japan株式会社
http://www.idcjapan.co.jp/
( 朝夷 剛士 )
2005/07/06 19:17
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