米Macromediaは、6月6日にFlashとその関連技術を統合プラットフォームとしてとらえ、今後進化させていくロードマップとして「Macromedia Flash Platform構想」を発表した。それを受ける形で7月11日、都内において、Flash Platform事業戦略説明会が開催された。
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マクロメディア株式会社 代表取締役社長 大沢幸弘氏
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マクロメディア株式会社 代表取締役社長 大沢幸弘氏が「すばらしいデジタル・エクスペリエンスをご提供する、それがマクロメディアのミッション」と語るように、Flash Platformとは、コンテンツ、アプリケーション、コミュニケーションを支える基盤として、Flashとその関連技術を利用するというもの。クロスプラットフォームで広く普及してきたFlashは、PCだけではなく、携帯電話やデジタル家電など多くの製品に搭載されるようになった。つまり、WebブラウザやOS、ハードウェア機器の種類に関わらず、リッチなユーザーインターフェイスを提供することが可能なのだ。
Flash Platformには、クライアントランタイム(Flash Player)、オープンなファイル仕様(Flash SWF型式)、プログラミングモデル、開発ツール、専用のサーバー技術が含まれる。すでに、SAP NetWeaver Visual Composerなど、多くのITベンダがFlash Platformに基づいて開発したツールやソリューションを提供している。しかし、マクロメディアのツールというと、デザイナー向けの開発ツールとしてのイメージが強く、企業向けの製品の認知度はFlash Playerほど高くないのが現実である。大沢氏は「いまやマクロメディアは、Flashのテクノロジをベースに、企業向けのコミュニケーションやWebコラボレーションのソリューションも提供するようになった。しかし、まだ知らない人も多い」と現在の状況を述べた。
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米Macromedia Vice President and Technology Advisor to the CEO 田中章雄氏
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米MacromediaのバイスプレジデントでありCEOのテクノロジアドバイザー 田中章雄氏はFlash Platformに関して、「Flash Playerは、最新バージョンがリリースされてから12カ月でPCの80%に導入されている」というFlashの普及率の高さを強調し、「クライアントランタイムの配布問題は解決済みである」と述べた。
Flash PlatformのコアとなるFlash Playerは、「Maelstrom(メイルストローム)」というコードネームで呼ばれている次世代のPlayerが現在開発中である。この説明会でもプレビューが行われたが、高画質なビデオコーデックの搭載や美しいフォント表示といった機能が強化している。また「Flash Playerのパフォーマンスを上げてほしいという要望を多くいただく」と田中氏が語るように、Flashのコンテンツは見た目は良いが、重いというイメージがある。しかし、Maelstromでは、キャッシングによってパフォーマンスが改善しているという。
マクロメディアでは、モバイルコンテンツ業界全体にもFlash Platform構想を導入すると発表。さらに、Flash Platformにおける開発環境(IDE)の開発に向けて、Eclipse Foundationに加盟したことも発表した。
■ URL
マクロメディア株式会社
http://www.macromedia.com/jp/
プレスリリース
http://www.macromedia.com/jp/macromedia/proom/pr/2005/flashplatform.html
http://www.macromedia.com/jp/macromedia/proom/pr/2005/mobileecosystem_flashplatform.html
http://www.macromedia.com/jp/macromedia/proom/pr/2005/eclipse_flashplatform.html
( 北原 静香 )
2005/07/11 20:22
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