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デル、企業ユーザー対象の導入事例紹介セミナー開催

2005年第2四半期のトップシェア獲得に自信

展示会場ではデモストレーションが行われていた
 デル株式会社は7月15日、東京・品川の品川プリンスホテルで、企業ユーザーを対象にした「Dell Enterprise Showcase」を開催した。

 昨年12月の開催に続き、2回目の開催となった今回も、デルによるレガシーマイグレーションなどによる導入成功事例を紹介。併設されたデモストレーションコーナーでは、デルの製品群やサードパーティ製品による各種ソリューションの展示が行われた。


日本振興銀行株式会社取締役兼代表執行役社長の木村剛氏
 また、基調講演では、日本振興銀行株式会社取締役兼代表執行役社長を務める木村剛氏が、「企業価値を高めるIT投資」と題して、昨今の政治問題、金融問題、経済問題などに触れながら、「経営者は、スピーディーに変化に対応することがトッププライオリティ。同時に、ITシステムもすぐに変えられるようにしておくことが必要。CIOは、単にシステムのお守りをしているだけでなく、ITシステムそのものが時代に沿っているかどうかに気を配らなくてはならない。CIOは経営者と同じ発想が求められており、その責務は重要」としたほか、「日本振興銀行が早期に黒字化できたのは、情報システムを軽くし、運用管理費を月200万円に抑えたことが大きい」などとした。

 最後に木村氏は、「CHANGEのGをCに変えれば、そればCHANCEになる。GとCの違いはTがあるか、ないかだけだ。このTとはタブーのこと。情報システムも従来のタブーにとらわれていては、チェンジをチャンスに変えることができない」と締めくくった。


デル株式会社 代表取締役社長の浜田宏氏
 一方、オープニングスピーチに登壇したデルの浜田宏社長は、「標準化技術で実現するレガシーマイグレーション」をテーマに、同社が取り組むスケーラブルエンタープライズコンピューティング戦略や、スケールアウト戦略、同社が推進しているレガシーマイグレーションなどについて紹介した。

 冒頭、浜田社長は、「スケーラブルエンタープライズコンピューティングには2つ意味がある」として、「ひとつは、企業のコンピューティングシステムの成長が可能という意味。そして、もうひとつは、成長する企業を支援するコンピュータシステムであること」と位置づけ、「それらを実現するために、デルは標準化技術を活用し、低コストで競争力のあるシステムを提供している」とした。

 また、2005年4~6月の最新四半期の速報値を示しながら、「国内市場において約30%のシェアに到達するだろう」として、サーバー分野におけるトップシェア獲得に自信を見せた。

 さらに、米国で発表された米サミットストラテジー社の調査データを示しながら、「1000人以上の企業において、最も重要なITパートナーとしてデルが選ばれている」として、ここ数年のエンタープライズ分野における実績を背景に、大手企業の間で評価が高まっていることを明らかにした。


デルが推進するスケールアウト
 こうした高い評価を得ている背景には、同社の標準化技術の採用によるスケールアウト戦略がある。

 「デルは、標準化技術を採用するとともに、スケールアウトによるシステム提案を実現。企業の成長にあわせてフレキシブルにシステムを拡張し、しかも、それを低コストで最新性能のものを提供することができる。また、標準化技術を採用していないシステムでは、特定のベンダーに囲い込まれ、ユーザー自身がシステムを変えることができないブラックボックスとなってしまう危険性があり、実際、そうした問題も発生している。一般的に企業情報システムは、運用費用が7割を占め、新規投資は3割といわれる。これを逆転させなければ、経営環境の変化にあわせたシステム環境を構築できない」と語り、「ベンダー主体のITから、お客様主導のITへと世界を変えなくてはならない」とした。

 また、具体的なデルの導入実績を一部紹介し、「ある製造業では、数台のメインフレームをすべて撤廃し、IAサーバーによるスケールアウトによるシステムを導入した。ERPによる新業務システムの企画からカットオーバーまで8カ月間で完了し、UNIXサーバーと比較すると初期費用は10分の1で収まった。また、運用、保守コストは半分で済んでいる」とした。

 さらに、デル自身の導入状況にも触れ、「デルは、99%以上をデルのエンタープライズシステムで構築。そこで世界最大のオンラインストアを運営している。システムが停止すれば、その瞬間に数100億円の損害が出るし、売り上げも利益も、株価も落ち、しかもお客様に大変なご迷惑をおかけする。こうしたシステムを安定的に運用している実績が、多くのデルユーザーの獲得につながっている」とした。


米大手企業からは高い評価を得ている 第2四半期は「歴史的シェアを獲得」とトップ獲得に自信を見せた


URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/


( 大河原 克行 )
2005/07/19 08:44

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