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代表取締役社長の佐藤武氏
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ミラクル・リナックス株式会社は7月21日、同社代表取締役社長の佐藤武氏より今年度の事業戦略の説明を行った。
6月で6年目を迎えた同社は、速報ベースで昨年度の売上が対前年比27%増、経常利益が対前年比60%と順調に業績を伸ばしている。佐藤氏は、「昨年度は、1000ライセンスのLinuxサーバーの受注といった大型案件や、Windows代替ソリューションとしてSambaのコンサルティングが事業の柱に成長した」と、企業での導入が順調に進んでいると説明。その一方で、従来のロゴがオラクルと似たものであることなどオラクル色が強いという意見もあったことから、「OSベンダーとしてニュートラルな立場になるべく」(佐藤氏)、今年の1月にCIの刷新を行ったことも紹介した。また、Asianuxの効果として、ISVとのアライアンスが充実してきた点も同社にとって大きなトピックであったとした。
今年度注力する市場として佐藤氏は、「e-Japanやeガバメント関連、IPテレフォニー向けマーケット、そしてハイエンド、ミッションクリティカル分野」を挙げた。ミッションクリティカル分野については、「ミラクル・リナックスは、国内にカーネルデベロッパが常駐するという強みがある。ダンプ解析などエンタープライズサポートを提供することでお客様のニーズに応える」と、ミッションクリティカルレベルのサポート力を強さとして紹介。「品質、安心感、長期サポート、迅速、を心がけ、ミッションクリティカルでのニーズに応えるサポートを提供する」と、サポートビジネスをさらに強化するとした。
また、Sambaなどミドルウェアへのサポートも積極的に行うとしている。「Linuxがコモディティ化すると、特定のアプリケーションを使いたいからOSを選ぶというお客様が増えると考えている。こうしたニーズに対応するために、ミドルウェアを含めたサポートの充実、提供を行うことで、他社と差別化していく」と、ミドルウェア重視の姿勢を示した。
開発中のAsianux 2.0については、「当初7月リリースとアナウンスしていたが、カーネルの信頼性向上を高めるために時間がかかっており、8月26日にリリースする予定」と、1カ月程度遅れる見通しであるとした。これに伴い、MIRACLE LINUX V4.0のリリースも11月上旬になる予定。
最後に佐藤氏は、同社の目指す形として「Small Great Company」を挙げた。「現時点ではまだ実現していないが、高収益の会社を目指したい。そのためには、すべての社員がプロフェッショナルとなり、少数精鋭で生産性を高める体制にする」と中期的な目標を示した。
■ URL
ミラクル・リナックス株式会社
http://www.miraclelinux.com/
( 福浦 一広 )
2005/07/22 12:40
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