Enterprise Watch
最新ニュース

国内HPC市場でオープン系が拡大、今後価格低下で市場規模縮小へ-IDC調査


2004年 国内HPC市場出荷金額シェア
 IDC Japan株式会社は7月27日、2004年の国内HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)市場の動向を発表した。

 これによると、2004年の市場規模は539億円で、前年比5%の増加となった。2002年から2003年にかけては、2002年に超大型システム「地球シミュレーター」が構築された影響もあり、マイナス45%と大幅に低下していたが、1年でプラスに転じた。

 2004年の国内HPC市場は、製造業の業績改善に伴って市場規模の縮小に歯止めがかかったという。特に、価格が2500万円未満の比較的小規模なシステムが前年比40%と大きく伸びたのが市場拡大の要因だという。一方、「システム価格1億円以上」と「システム価格2500万円以上、1億円未満」のカテゴリーでは出荷金額が減少している。

 製品別では、スーパーコンピュータやRISCサーバーからIA64サーバーへの需要のシフトが顕著となり、IA64サーバーが前年比131%増加、スーパーコンピュータとRISCサーバーは、それぞれ前年比マイナス7%、同マイナス12%と減少した。また、小規模クラスタの研究室単位での導入が本格化した影響でx86サーバーも前年比で35%増加した。

 ベンダー別の出荷金額では、NECが引き続き1位を維持し、2位は富士通であった。NECは出荷金額の92%がスーパーコンピュータ。富士通は、HPC専用のRISCサーバーの出荷が好調であったという。

 IDC Japanでは、2004年から2009年まで5年間に市場規模が年間平均で5%縮小し、2009年には428億円になると予測している。同社サーバーシニアマーケットアナリスト唐澤正道氏は「2004年に続き2005年は一時的に市場規模が拡大する。しかし、2006年以降需要が安定する一方システム単価は下落する。このため、国内HPC市場の規模は縮小していく」と述べている。



URL
  IDC Japan株式会社
  http://www.idcjapan.co.jp/


( 朝夷 剛士 )
2005/07/27 17:33

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.