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マクデータ、日本CNTとの統合で“基幹システム分野のビジネスを拡大する”


マクデータの代表取締役、石本龍太郎氏
 マクデータ・ジャパン株式会社(以下、マクデータ)は8月2日、日本シー・エヌ・ティ株式会社(以下、日本CNT)との統合が8月中にも完了する見込みであることを明らかにした。法律上の完全な統合を前にビジネスの統合は進められており、日本CNTの従業員は、すでにマクデータのオフィスに移動しているという。なお、この統合は米McDATAが米Computer Network Technology Corporation(以下、CNT)を買収したことを受けたもの。米国では、買収処理が完了したことが6月に発表されていた。

 マクデータの代表取締役、石本龍太郎氏によれば、CNTは基幹システム、特にメインフレーム向けの分野で利用される技術に強いことから、McDATAがアクセスできるビジネスエリアの拡大が見込めるという。McDATAもオープンシステム向けのSAN製品だけでなく、メインフレームで利用されるFICON(Fibre Connection)対応製品を提供してきたものの、同分野では利用される技術・プロトコルはさまざま存在するため、「当社が手をつけられなかったエリアが存在した」(石本氏)のである。

 しかし、CNTの製品を取り込んだことによって新しいチャンスが生まれたという。当然、メインフレーム大国といわれる日本でも、旧CNT製品を取り込んだことによるチャンスは大きい。石本氏は「メインフレームはもちろんいつかはなくなるだろう。しかし、(現状での)インストールベースはべらぼうにある。日本でも、新しいチャンスを受け止め、ビジネスを変えていく」と述べ、期待を表明した。


 また、ソリューションやサービスが多様化することを受け、同社のメッセージをきっちりと顧客に届けるため、また実際のビジネスにしっかりと役立ててもらうために、顧客に直接アプローチする「エンタープライズセールス」の部隊を増強する。マクデータは間接販売モデルを採用しており、今後もこれを継続する姿勢は変わらないが、顧客と直接やりとりするチャネルを設けることで、同社製品のより一層の浸透を図る狙いがある。

 マクデータではさらに、国内では多く見受けられる小規模SAN環境の統合を加速させる戦略を強化するという。「SAN統合は大きなマーケット。いかに、小さいSANを統合するかがポイント」と述べた石本氏は、SANルータ「Eclipse」や大規模スイッチ、ダイレクタを用いて、SANを統合することのメリットを訴えていくとした。この背景には、次の世代のトレンドとして注目されている「仮想化」があるという。

 「インフラがしっかりしていないと、ユーザーの要望に応じた自由気ままな構成ができない」と語った石本氏は、同社の提唱する階層型インフラ構想「GEDI(Global Enterprise Data Infrastructure、以前はGEDCとも呼称)」には、仮想化につながるステップがいくつも含まれているとした。

 もっともSAN統合に関しては、競合ベンダも構想や製品を発表しており、顧客にマクデータを選択してもらうためには、それ相応の説得力がなくてはならないと思える。これに関して石本氏は、エンタープライズセールスの部隊を積極的に活用するとともに、「ブロケードの製品もシスコの製品も、自社製品には対応するが、マルチベンダをサポートするのは当社の製品だけ」と述べ、ヘテロジニアス環境の対応を武器にしていく考えを示した。

 なお同社のSANルータは、独立系ベンダとしてIPストレージネットワーク製品を提供していたNishan Systemsの製品・技術をベースとしたもの。マクデータでは、2003年にMcDATAが買収した同社の強みを受け継ぎ、SAN統合分野でのいっそうの拡販を目指す。



URL
  マクデータ・ジャパン株式会社
  http://www.mcdata.jp/

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  ・ 日本のSANを変える?マクデータのGEDC構想(2005/02/03)


( 石井 一志 )
2005/08/02 18:00

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