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米Avaya会長兼CEO ドナルド・ピーターソン氏
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日本アバイア株式会社は8月18日、米国本社会長兼CEOのドナルド・ピーターソン氏らを招いて記者会見を開き、国内企業オフィス向けIP電話市場において、1年以内に2けたシェアを獲得し3位以内に、さらに3年以内にはトップシェアを確保するとの目標を掲げた。
米Avayaは世界のIP電話市場において2003年より米Cisco Systemsを抜いて2年連続トップシェアを確保(Synergy Research Group調査)しており、同日には世界で700万回線目の出荷を発表した。国内ではコンタクトセンター市場でトップシェア(Frost&Sullivan調査)だが、IP電話市場ではNECや沖電気、シスコシステムズに次ぐ4位とやや出遅れていた。ピーターソン氏はこの理由について「(チーム連携を重視した)日本固有の業務方式に合った製品がなかったので、まずコンタクトセンターに焦点をあてた」と説明する。
そこで、同社の顧客でもある東芝と2年前よりパートナーシップを組み、日本の業務環境に合ったソリューションの開発に着手し、ここにきてようやく準備が整ったとのことだ。さらにコンタクトセンター市場での強みを生かした戦略で、IP電話市場での巻き返しを図ろうとしている。「我々は顧客として、またパートナーとして東芝から多くのことを学び、日本固有の要件に対応できる、日本市場向けのSIPサーバーや端末、ビジネスアプリケーションとの連携ソリューションを開発している」(ピーターソン氏)。そして、それらが「東芝本社にも導入が進んでいる」という。
また、日本アバイア代表取締役社長のリンダ・ドッツ氏は「現在、コンタクトセンターとオフィスのコミュニケーションインフラは別々のものと考えられ、決定権も分かれていたが、今後は一体としてとらえる必要性が高まる。我々はその啓もう活動を展開し、この2つにおける意思決定が非常に重要であることを訴えていく」と販売戦略を語った。
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Avayaのビジネスコミュニケーションアプリケーション市場予測
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IP電話を導入するメリットとして、コスト削減が広く認知されているが、同時にビジネスアプリケーションとの連携が容易になるという要素も大きい。従来、コンタクトセンターが、顧客情報や通話記録の管理などにIP電話とビジネスアプリケーションとの連携によるメリットが大きいと認知されてきた。同社ではさらに「オフィスのコミュニケーションインフラもIP化し、ビジネスアプリケーションと融合することで、ビジネスプロセスそのものを変革でき、収益増大に結びつけることができる」と説明する。
Avayaでは今後もIP電話市場は大幅な拡大を続け、ビジネスコミュニケーションアプリケーション市場においてはソフトウェア・サービスを含め2006年に300億円に達するとしている。この中で「日本は世界で2番目の市場」(ピーターソン氏)と期待は大きい。しかし現状では、同社全体の売上のうちアジア・太平洋地域が占める割合は10%(約5億ドル)と「これからの市場」だ。国内ではやや影の薄かった「世界シェアトップ」が本腰を入れることで、IP電話市場はさらに加熱していきそうだ。
■ URL
日本アバイア株式会社
http://www.avaya.co.jp/
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