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「2006年はデュアルコアプロセッサでエンタープライズ市場を推進」、インテル

サーバー向け製品にも“番号制”を導入

インテルが考える「プラットフォーム」。ハードウェアだけではなく、さまざまな要素から構成される

プラットフォームナンバーの4つの区分け

マーケティング本部 デジタルエンタープライズ統括部長、平野浩介氏
 インテル株式会社は8月18日、エンタープライズ市場向け戦略に関するプレスセミナーを開催し、これからの取り組みとして、「2006年に向けてデュアルコア化と省電力化を推進していく」(マーケティング本部 デジタルエンタープライズ統括部長、平野浩介氏)ことを強調した。

 インテルでは現在、プラットフォーム全体に付加価値を持たせる戦略を打ち出しているが、エンタープライズ向けの分野でも、それは同じだとしている。平野氏は今回もその点を強調し、プラットフォーム全体でデュアルコアへの最適化を図っていくとの主張を再三繰り返した。

 ここでいう「プラットフォーム」には、チップセットや通信コンポーネントなどのハードももちろん含まれるが、技術やソフトウェアなども含めてプラットフォームとされており、例えば、OSが稼働していない状態でも、PCの管理をネットワーク経由で行えるようにする「アクティブマネジメントテクノロジ(AMT)」技術や、それを実装するためのドライバソフトなどが該当する。

 平野氏は、こうしたプラットフォーム戦略を推進する上で、ユーザーが「どういう機能が(どのプラットフォームに含まれるのかが)一目でわかるように」、4けたのプラットフォームナンバーを2006年にも導入することを明らかにした。

 詳細は決まっていないというが、Montecito(開発コード名)などのItanium 2系が9000番台、Tulsa(開発コード名)などのXeon MP系が7000番台、Bensley(開発コード名)などのXeon DP系が5000番台、Pentium 4系列のエントリークラスが3000番台に区分けされる予定とのことで、平野氏は「CPUだけでなく、チップセットや関連コンポーネントにも同様の番号が付けられる予定」だと説明した。

 あわせてインテルでは、消費電力も最適化していくという。例えばXeon DPの場合、現在出荷されているものではTDP(Thermal Design Power、熱設計消費電力)が110W、2005年中に出荷が開始されることが明らかになったデュアルコアのPaxville DP(開発コード名)では130Wと、高消費電力のプロセッサになってしまっている。

 しかし、2006年に発売を控えるDempsey、Woodcrest(ともに開発コード名)といったデュアルコアプロセッサでは、性能を向上させながら現在より消費電力が下がるほか、最大クロックを抑えて対消費電力比を向上させたMV(中電圧)版、LV版のプロセッサを強化し、2006年前半の市場投入が予定されているLV Sossaman(開発コード名)では、31WまでTDPを抑える予定だ。

 なお、こうした低消費電力版を強化する背景としては、HPC(ハイパフォーマンスコンピューテング)やBI(ビジネスインテリジェンス)といった用途を中心に、PCサーバーを大量導入するケースが増えていることがあるという。平野氏は、ユーザーのニーズに応えていくためには、デュアルコア化とともに低消費電力化は欠かせないとした。

 加えて、クライアントPCも含めた企業全体のプラットフォームとして、「プロフェッショナル・ビジネス」のカテゴリを設け、ユーザーにメリットを提供していくと説明する。平野氏は、このプラットフォームでは、前述のAMTによる高い管理性や、仮想化をハードウェアで支援するVTなどの技術によって、企業ユーザーにメリットを提供していくという姿勢を示していた。



URL
  インテル株式会社
  http://www.intel.co.jp/

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( 石井 一志 )
2005/08/19 10:43

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