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代表取締役社長の松浦徹氏
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米Epianceは8月25日、日本法人である日本エピアンス株式会社を設立し、日本市場に本格的に参入すると発表した。
米Epianceは、ITを利用する従業員の行動をデータとして自動的に収集し、eラーニングなどの教育用シミュレーションコンテンツ作成ソフトなどを手がけている企業。また、収集したデータの測定・分析・監視までを行うことで、企業の業務プロセスを改善するEPI(企業プロセス改善:Enterprise Process Improvement)ソフトウェアソリューションを提供している。
日本法人は今年2月に設立。同社代表取締役社長には、レッドハット株式会社の社長を務めた松浦徹氏が就任している。「日本法人社長というと、マーケティング中心となりがちだが、この日本エピアンスでは同等の立場で経営に参画できることに魅力を感じて社長を引き受けた」と就任理由を説明した。
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株式会社エム・ヴィー・シーの山本哲也氏
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バイス・プレジデント ビジネス・コンサルティングの鈴木潤一氏
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日本法人への出資企業は、米Epianceのほかに、米Epianceへの出資企業である米Norwest Venture Partnersと米Outlook Ventures、三井ベンチャーズ(株式会社エム・ヴィー・シー)の4社。株式会社エム・ヴィー・シーの山本哲也氏は、「三井ベンチャーズは米国のIT企業への投資を行っているVC(Venture Capital)だが、日本市場への期待の高まりから今回日本エピアンスへの出資を決めた」と説明。日本エピアンスの魅力について、「ERP、SCMなどビジネスプロセスの自動化を実現した分野も多いが、分析・測定・監視など自動化を実現していない分野もまだまだあり、市場規模は1000億ドルといった調査結果も出ている。これらの分野に対応した製品を持つ企業であるというのが、投資の理由」と山本氏は話す。また、「データワーカーの生産性向上に効果があり、コストインパクトを与えることも理由のひとつ」と、同社の技術力を高く評価していると述べた。
同社のEPIソフトは、PCでの操作やサーバー側のイベントをエージェントソフトによりリアルタイムにキャプチャし、自動的に収集。収集結果のドキュメント化、履歴の追跡、ベストプラクティスと比較した分析による問題点の特定と改善、ダッシュボードでの監視、PKIによるアラート発信などを行うことができる。同社バイス・プレジデント ビジネス・コンサルティングの鈴木潤一氏は、「ERPなどがビジネスプロセスをシステム化したのに対し、EPIソフトではシステムを使う人間の行動を計測し、体系化してビジネスプロセスに戻すのが特長。これにより、ERPなどを使う人が効率的な作業をしているのかどうかをリアルタイムに測定し、業務改善につなげることができる。また、新しいアプリケーションの導入時に新旧バージョンの利用状況を比較することで、投資効果の測定も行える」と、利用方法の分析による業務パフォーマンスの向上をメリットとして紹介した。
キャプチャ対象は基本的にWindows上で動作するものすべてだが、ERP、CRMシステム、Webアプリケーション、Microsoft Officeなど事前に定義することが可能。現在開発中で、年末までにリリースする予定。すでにいくつかの企業と接触しており、「米国で5社程度の企業にパイロット運用していただく予定。また、日本でも数社でパイロット運用する予定」(鈴木氏)と述べた。
販売形態については、「これまでどおりパートナー経由での販売となる。直接販売する考えはない」(松浦氏)と、直販の意思を持たないと強調。パートナー企業と市場を拡大する考えを示した。
■ URL
日本エピアンス株式会社
http://www.epiance.co.jp/
( 福浦 一広 )
2005/08/25 15:44
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