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サン、Opteron搭載次世代サーバーを9月にも発表へ

今後の戦略は「パートナーと業界特化型ソリューション提供を重視」

サン 代表取締役社長 ダン・ミラー氏
 サン・マイクロシステムズ株式会社(以下、サン)は8月25日、同社の会計年度で新年度にあたる9月以降の事業戦略を発表するとともに、9月中にAMDと共同開発中の次世代x86サーバー(コードネーム:Galaxy)を発表する考えを示した。

 Galaxyについては、正式発表前なので詳しい言及はなかったが、米Sun Microsystemsの幹部が2月にこの計画について語っており、すでにAMDより発表されているデュアルコアOpteronを搭載し、既存のOpteron搭載サーバーの2倍の処理能力を備えるといわれている。

 同社では2006年初頭に次世代SPARC系プロセッサ(コードネーム:Niagara)を搭載するサーバーの出荷を予定しているが、当面はこの2つのサーバープラットホームを併存させる計画。サンの代表取締役社長であるダン・ミラー氏は、「OracleやSAPといったアプリケーションを(x86系とSPARC系の)両方で走らせることができることが重要である」と語った。


営業・サポートに加え、マーケティングをバックとしたクライアントソリューション(左)が加わるサンのセールスオペレーションイメージ

米Sun Global Sales Organization担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのロバート B.マクリッチ氏
 サーバーを含め同社の全体的な国内における戦略としては、業界別に特化した製品・サービスソリューションをパートナーと共同で提供していくことに重点を置く考えを示した。専務取締役営業統括本部長の末次朝彦氏によると、これの戦略に向け同社は、社内組織体系の大幅な改革を行っており、顧客向けとSIerなどのリセラー向け営業が組んで、どの業界に対してどのパートナーと組んで付加価値を高められるかを吟味し、ソリューションにはインセンティブ制度を用意して販売力を強化するという。

 そして、こうした戦略の立案や、さらに同社のブランド価値、社内従業員のモチベーションの向上をねらい、マーケティング力の強化を進めているとのことだ。「システムカンパニーとしてパートナーの力を最大化し、(技術の)イノベーションをソリューションとして提供していきたい」(ミラー氏)。

 このような国内戦略の裏には、Sun全体の組織変更が起因しているようだ。米Sun Global Sales Organization担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのロバート B.マクリッチ氏は、世界規模で従来の地域別統括から国ごとへの権限委譲を進めて、それぞれの国の需要に合った戦略をたて、さらに販売やサービス・サポートの窓口の一本化を図ったと説明、これにより9億ドル以上のコスト削減に成功したと語った。

 同氏は、日本について「アメリカに次ぐ規模の市場であり世界に大きな影響力がある」と期待感を示し、またミラー氏は「最盛期に比べ売上は半分程に落ちたが、すでに(悪い流れを)転換させなければならない時期は1年ほど前に終わっており、今後は成長していく」とコメントした。




URL
  サン・マイクロシステムズ株式会社
  http://jp.sun.com/

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( 朝夷 剛士 )
2005/08/25 15:50

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