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ILMソリューションを支える「6つのC」
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EMC ソフトウェアグループ ソリューションズ・マーケティング担当ディレクター ナオミ・ミラー氏
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「統一化」されたDocumentumのECMソリューション
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2003年12月の米EMCによるDocumentumの買収は、金額にして約17億ドルと、これまでEMCが20社以上行ってきた買収の中でも最大規模のものであり、その位置づけは大きい。この前後にもLegato、VMware、Dantz、SMARTSと集中的にソフトウェア企業の買収を行い、自ら「ソフトウェア企業」として世界7位の規模となった。
Ducumentum買収の目的は、ILM(Infomation Lifecycle Management)ソリューションの一角であるECM(Enterprise Contents Management)事業の強化だ。調査会社によると、ILMソリューションを支えるストレージやバックアップ/アーカイブといった市場は、いずれもIT全体から見て高成長が予測されており、ECMも米国においては2008年には市場規模が400億ドルに迫り、国内においても2008年まで年平均で8.3%の成長が見込まれている。
EMC ソフトウェアグループ ソリューションズ・マーケティング担当ディレクターのナオミ・ミラー氏は、Documentumの買収について「非常に意義のあるものだった」と強調する。メール、Office文書、画像といった非構造化データの管理技術を1社で提供してきた「スペシャリストであるDocumentumが、EMCという大きなプラットフォームの一部となった」(ミラー氏)ことで、システム全体にわたる統一化されたECMソリューションとして提供することが可能となったからだ。
ECMは1つのパッケージソフトなどではなく、ERPやCRMなどさまざまなシステムと結びついたインフラとしての役割が求められる。それには「統合」ではなく「統一」のプラットフォームである必要がある、というのがEMCの主張だ。ミラー氏は「ストレージ管理からハードウェア・ソフトウェア、ユーザー画面に至るまで、統一したコンテンツ管理を実現した唯一のベンダー」というGartnerの評価を引用して、EMCがECM市場のリーダーであることをアピールした。
近年ではECM市場の広がりとともに、OracleをはじめさまざまなベンダーがECM市場へ参入する動きが見られる。これに対しミラー氏は「Oracleは15カ月くらいの経験しかないが、Documentumは15年の経験がある。Oracleは基本的にデータベースの領域しかカバーしきれてない」と、経験の差が対応できる範囲に表れるとし、Documentumはローエンドからミッションクリティカル分野までカバーできると述べた。
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日本ドキュメンタム代表取締役社長 岡本克司氏
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国内市場においては、EMCジャパンと日本ドキュメンタムは統合されておらず、日本ドキュメンタムが米EMCの子会社となっている。日本ドキュメンタム代表取締役社長の岡本克司氏は、国内の市場戦略として「医療・健康」「金融」「製造」「テレコム」「政府・自治体」の5つの市場に絞って展開していくとの考えを示し「日本でECMはまだ定着していない。まずは顧客獲得に主眼を置く」と語った。また、「ここ数年、動きがなかった」と振り返るパートナー戦略を強化し、8月30日に発表したキヤノンソフトとの協業をその第1弾とした。
個人情報保護法やe文書法といった法制度が施行され、企業のECMに対する注目は高まっているようにも見えるが、岡本氏は、これらはあくまでガイドラインであり、急速にECM導入を推し進めるものではないとの慎重な見解を示し、「やはりROIがしっかりと認識できるところから徐々に導入されるのではないか」と述べた。
■ URL
EMCジャパン株式会社
http://www.emc2.co.jp/
日本ドキュメンタム株式会社
http://www.documentum.co.jp/
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( 朝夷 剛士 )
2005/09/01 19:24
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