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日本IBM、オートノミックコンピューティングのパートナー支援プログラムを開始


米IBM、Vice President, Autonomic Computing Marketing, Business Development, Planning, & StrategyのDavid Bartlett氏
 日本アイ・ビー・エム株式会社は9月7日、グリッドコンピューティングとオートノミック(自律型)コンピューティング(AC)の普及を目指し、パートナー支援プログラム「IBM自己管理型オートノミック・テクノロジー・マーク・プログラム」と、大学生・大学院生を対象とした論文コンテスト「グリッド/ACスカラーズ・チャレンジ2005」を日本で実施すると発表した。

 IBM自己管理型オートノミック・テクノロジー・マーク・プログラムは、同社のビジネスパートナーが積極的にオートノミックコンピューティングを採用するよう支援するためのプログラム。米国では今年の6月から開始しており、4社が認定を受けている。同プログラムの認定を受けたパートナーは、プログラムのロゴマークを使用する権利が与えられ、製品の箱やWebサイトなどで使用することが可能。

 同プログラムの認定を受けるには、「オートノミックコンピューティングの技術を生かし、顧客に対して目に見える形で実績を示すこと」(米IBM、Vice President, Autonomic Computing Marketing, Business Development, Planning, & StrategyのDavid Bartlett氏)と、オートノミックコンピューティングをビジネスにとって効果的に使用できるパートナーを対象としていると説明。技術的には、1)Common Base Eventsの生成、2)Autonomic Management Engineの利用、3)Solution Installationの利用、の3つのうち2つ以上の技術を自社製品に組み込むこととされている。

 Bartlett氏は、自己修復・自己構成・自己最適化を行うオートノミックコンピューティングを、「複雑化したITにとって重要な技術」と説明。ITの管理コストが新規サーバーへの投資額を大きく上回っている現状に触れ、「異機種混在環境のITの複雑さを解消するためにもオートノミックコンピューティングが必要。実現するためには、1社でやるのではなく、標準化により業界全体で推進することが重要だ」と、標準化がオートノミックコンピューティング普及にとって大きな鍵であると述べた。

 IBMは、オートノミックコンピューティングの標準化を目指し積極的に活動しており、「自己修復を行うためにカギとなる技術のWSDM(Web Services Distributed Management)の批准を実現した。これは60社以上の賛成を得ており、業界ではじめての共通フォーマットとなる。また、自己構成の技術の核となるSolution Deployment Descriptorの仕様書を提出するなど、標準化をとおして業界での採用の推進を行っている」(Bartlett氏)とした。


 あわせて発表された論文コンテスト「グリッド/ACスカラーズ・チャレンジ2005」は、グリッドコンピューティングおよびオートノミックコンピューティングの裾野を広げることを目的に開催されるもの。テーマは、「Globus Toolkitの新しい使い方」「オートノミック・コンピューティング・ツールキットを利用した効果的な使用方法」で、どちらかのツールキットを有効に使い、広く役立つ新しいアプリケーションエリアのアイディアを論文として提出するとなっている。申し込み期限は9月末。申し込みを行った人には、後日プログラムの詳細とグリッド・オートノミックの解説書を郵送するとしている。論文の締め切りは11月11日。優秀論文3点には、ThinkPadを贈呈するという。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  プレスリリース
  http://www-6.ibm.com/jp/press/20050907001.html
  グリッド/ACスカラーズ・チャレンジ2005
  http://www-6.ibm.com/jp/autonomic/scp2005/index.shtml


( 福浦 一広 )
2005/09/07 17:09

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