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2005年3月期ITサービス売上と対前年同期比成長率
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IDC Japan株式会社は9月7日、2005年3月期の国内主要ITサービスベンダー10社の連結売上高、および競合分析結果を発表した。
これによると、国内ITサービス売上高ランキングでは富士通がトップとなり、NEC、日本IBM、日立製作所、NTTデータと続いた。しかし対前年比成長率は大きなばらつきがあり、トップの富士通はマイナス成長となっているなど、売上規模の大きいベンダーが必ずしも順調に業績を伸ばしているわけではない。また、準大手や中堅ベンダーの中に業績好調な企業も見られ「混戦模様」となってきている。
国内ITサービス市場は、2003年の対前年比成長率1.6%を底に回復傾向にあるが、ユーザー企業はIT投資に対する効果を以前より厳しく評価するようになっており、その結果、大規模案件が減り、価格引き下げ要求も一層強くなっている。こうした状況では、大手ベンダーに価格優位性があるとはいえず、大手から中堅ベンダーまでを含めて競争が激化しているという。
IDCではこの状況が今後も続き、サービス事業の収益性確保はますます重大な課題になるものとみている。主要ベンダーは生産性向上、品質管理の徹底、プロジェクト管理の強化などを通じて、収益性の課題に取り組んでいるが、その効果はまだ明らかになっていない。
同社アナリストは「ITサービスベンダーは、新たなユーザーニーズに焦点を当てて市場機会を顕在化させることに努力すべきである。異業種間のシステム連携による新たなソリューションの提供や、柔軟性と安定性を強化したITサービスの提供などは注目すべき分野である」と分析している。
■ URL
IDC Japan株式会社
http://www.idcjapan.co.jp/
( 朝夷 剛士 )
2005/09/08 11:43
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