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「NACSEコンソシアムジャパン」設立へ-ネットワークのマルチベンダー技術者認定を目指す


ナクシージャパンの小林忍社長

NACSEコンソシアムジャパンのメンバー構成

会場には約100人の業界関係者、ユーザー企業などが集まった
 ナクシージャパン株式会社は9月8日、NACSEコンソシアムジャパンを設立し、ネットワーク技術者の資格認定事業、教育事業などに取り組む計画を明らかにした。

 NACSEは、米国に本部を持つNPOの全米通信システム技術者協会(National Association Communication Systems Engineers)を指し、特定のベンダーに依存しないネットワーク知識、ネットワーク技術レベルを認定する試験を実施していることで知られる。

 93年に米国でボランティアで活動を開始したのを発端に、96年にはNPOとして発足。同時に、認定試験制度をスタートした。

 日本においては、アライドテレシスのクループ会社であるナクシージャパンが準備を進めており、中立性を高めるために、このほどNACSEコンソシアムジャパンを設立し、本格的な展開を開始することになる。

 ナクシージャパンの小林忍社長は、「NACSEコンソシアムジャパンは、産学共通の認識のもとで、ネットワーク技術者を育成、輩出することを目的に設立したもの。ベンダーニュートラルなネットワーク技術者の育成、全世界に通用する資格としての提案活動などを行っていく」としている。

 活動内容としては、ネットワーク技術者育成のためのセミナーおよびイベントの開催、ネットワーク技術者育成のための各種事業、同コンソシアムで策定および実証した技術者の認定指標を世界的な資格として、NACSEに提案することなどが掲げられている。

 コンソシアム内に、早稲田大学理工学部・後藤滋樹教授を議長としてNACSE標準化委員会を設置。同委員会を通じて、NACSEの認定試験内容が、日本において適正に技量を策定するものであるかを精査し、修正するなどの検討を行うことになる。試験内容の各指標については、指標検討部会を別途設け、そこで検討することになる。

 「日本では、20万人以上ものネットワーク技術者が不足しているといわれており、ユーザー企業においても大きな問題となっている。日本におけるネットワーク技術者の育成とともに、マルチベンダーに対応できる技術者の育成も課題となっている。そうした点を解決することを目指す」(小林社長)という。

 NACSEコンソシアムジャパンの構成メンバーは、企業の求めるスキルを理解し、セミナーなどに反映させ、技術者育成を行うアカデミー会員、ネットワーク機器の販売などを手がける企業やマルチベンダー研修コースの利用などを行う一般企業会員、自社の機器などを研修コースに提供するネットワーク機器ベンダー会員という3つの会員メンバーともに、賛助会員で構成される。

 ネットワーク機器ベンダー会員では、アライドテレシス、エクストリームネットワークス、アラクサラネットワークスなどが参加。一般会員としては、中国電力、CSK、NECラーニングなどが参加している。また、アカデミー会員では、工学院大学などが参加している。

 来年第1四半期には、指標の提案を行い、第2四半期には米国NACSE BOS(Board Of Standard)に提案を行う予定としている。



URL
  ナクシージャパン株式会社
  http://www.nacse.co.jp/


( 大河原 克行 )
2005/09/08 18:30

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