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代表取締役社長President&CEOのロバート・エンスリン氏
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SAPジャパン株式会社は9月12日、8月1日付けで同社代表取締役社長に就任したロバート・エンスリン氏による就任記者会見を開催。ビジネスの規模を拡大するため、グローバルリソースの活用やビジネスパートナーとの関係強化など、今後の方針を発表した。
エンスリン氏は、1992年にSAP南アフリカに入社後、SAPアメリカで勤務するなどSAPに14年在籍。今回SAPジャパンの社長として日本に着任することになった。「SAP南アフリカとSAPアメリカでの経験は、グローバルな視点とローカルな視点の両方を養うことになった。この経験をSAPジャパンでも活かしたい」と、グローバルとローカルの両立を図る考えを示した。
当面の重点分野として、エンスリン氏は「既存の強みを活かした成長の継続、顧客のメリットとなるソリューションの提供、全世界のSAPのリソースの活用」を挙げ、それに加えて、「2006年の成長に向けた準備の年にする」と、来年度を見据えた活動を行うと述べた。
2006年の成長に向け、エンスリン氏は「顧客、ビジネスパートナー、従業員、技術革新」の4つにフォーカスすると紹介。「顧客が抱える問題解決の手伝いができるソリューションプロバイダとなっていく。グローバル企業・大企業だけでなく、中堅・中小企業に対してもセグメントごとに最適なソリューションを提供していきたい」と、中堅・中小企業の開拓を重視していく考えであるとした。
ビジネスパートナーとの関係については、「今後もパートナービジネスを強力に展開していく。また、2006年にはパートナーを通じたビジネスを3倍に拡大したい」と述べた。その一環として、現在のパートナープログラムの見直しを行うことも紹介。「現在のパートナープログラムは、ERPなどの既存製品を扱うことを重視したプログラムとなっている。今後ESA(Enterprise Services Architecture)など革新的なプログラムを提供するためにも、2006年にはパートナープログラムをグローバルと統合する」と、ESAを重視した展開を行う姿勢を示した。
また、同社従業員のモチベーション向上も2006年の成長に欠かせない要素であるとした。
技術革新については、ESAを実現するプラットフォーム「NetWeaver」を例に、「NetWeaverは、2004年には統合プラットフォームとして提供してきた。2005年には、コンポジットプラットフォームとして、Webサービスを使って短期ソリューションを構築できるプラットフォームとして提供した。そして2006年には、ビジネスプロセスプラットフォームに進化し、パッケージ化したプロセス・サービスを使うことで短期ソリューション導入を実現するものとなる」と説明。ESAによって、日本企業の固有の強みを活かしながら、競争力強化に貢献していくと述べた。
エンスリン氏は今後の目標として、「日本は世界で2番目の経済規模の国。しかし、SAPジャパンは、SAP全社の中では3番目の規模となっている。SAPジャパンが成長することが、SAP全社に大きく貢献することになる。今後、本社の戦略と同期を取りながら、2010年にSAP全社のビジネスを2倍に拡大することに貢献していく」と、SAP全社の成長を牽引する立場になると抱負を述べた。
■ URL
SAPジャパン株式会社
http://www.sap.com/japan/
プレスリリース
http://www30.sap.com/japan/company/press/press.epx?PressID=4941
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