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米Wyseが日本法人設立、「シンクライアント端末市場の50%が目標」


ワイズテクノロジーの代表取締役社長、河田英典氏

ワイズテクノロジーでは、シンクライアント機能を組み込み製品にも提供する予定があるという。これはその一例として示されたHDDレコーダー型端末で、テレビにつなぐとシンクライアントとして利用できるようになるとのこと。製品化は未定
 米Wyse Technology(以下、Wyse)は9月12日、日本法人のワイズテクノロジー株式会社を設立したと発表した。設立は8月10日付けで、代表取締役社長には、前エアスペース社長の河田英典氏が就任。今後は、日本のシンクライアント端末市場でのシェア50%を目標に、販売や技術サポート強化に向けて活動していくという。

 Wyseはワールドワイドにおいて38%のシェアを持つシンクライアント端末の大手で、米国では45%、アジア太平洋地域でも33%と、各地域で高いシェアを誇る。ひとくちにシンクライアントといっても、OSをネットワーク経由でブートするネットブート型や、1枚のブレードPC上にクライアント1台分の環境を作り上げるブレードPC型などさまざまあるが、同社の端末は、SBC(サーバーベースドコンピューティング)方式を採用している。

 この方式は、サーバー上にOSやアプリケーション環境を集約して実行させ、クライアントとの間で画面の遷移情報や入力情報だけをやりとりするもの。同社の端末はSBC方式で一般的なシトリックスのICA、マイクロソフトのRDPの両プロトコルに対応しており、汎用性が高いという。

 こうした性格を持つシンクライアントは本来、管理性の向上が最大のメリットとされてきたが、ここ最近日本で注目を集めているのは、“セキュリティ”の観点からだ。どの方式であっても、実際のデータはすべてサーバー側で集中管理されているため、クライアント側にデータが残らず、情報漏えいが起きにくいという特性が注目されているのである。

 河田社長も「注目すべきは第一にセキュリティ」と述べたほか、信頼性、管理性などをアピールして、販売を拡大したい考えを示した。現在、シンクライアントはさまざまな企業からさまざまな製品が発売されているが、特に大きな競合は「日立と日本HPの、ブレードPCベースのソリューション」(河田社長)という。

 ワイズテクノロジーのシンクライアント端末は1台あたり4万円程度から。現在はデスクトップタイプ、モニタ一体型など据え置き製品がメインだが、「今後はニーズが高まることも予想されるので、(すでに米国などで提供されている)モバイル端末を日本でも販売することを考えている」(Wyseの社長兼CEO、ジョン・キシュ氏)。ワイズテクノロジーでは、本年度末までに15~17億円の売り上げを目指す。



URL
  ワイズテクノロジー株式会社
  http://www.wyse.co.jp/

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( 石井 一志 )
2005/09/13 17:40

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