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2003年度、2004年度、2005年度の中間期収支の比較
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サイボウズ株式会社は9月13日、2005年度中間期連結決算を発表した。売上高は前年同期比50.1%増の22億1600万円、営業利益は同122.0%増の5億6000万円、経常利益は同112.4%増の5億5700万円、中間純利益は同131.5%増の2億8300万円と、大幅な増収増益となった。同社は4月に通信サービス・ビリング関連ソリューションを提供する株式会社インフォニックスを連結子会社化しており、インフォニックスの売上が大きく貢献した形となった。
単体の売上高は前年同期比17.9%増の17億2400万円、営業利益は同113.1%増の5億5600万円、経常利益は同215.7%増の5億5800万円、中間純利益は同280.6%増の2億8900万円と、こちらも大幅な増収増益となった。ビジネスソフトの継続利用による売上が順調に推移したことが、売上・利益に大きく貢献した。
8月にはクロス・ヘッド株式会社を連結子会社化しており、こうした事項をふまえ2005年度通期業績予想は上方修正された。修正後の売上高は59億円(前年同期比201.8%)、経常利益は7億7400万円(同147.7%)、当期純利益は3億2500万円(同105.1%)と発表している。
■ 今後も積極的にM&Aを行っていく
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代表取締役社長の青野慶久氏
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今後の事業戦略について、同社代表取締役社長の青野慶久氏は「M&A・新規事業の積極的な展開、テクノロジーの強化、販売体制の強化、人事報酬制度の見直しの4つを軸に展開する」と説明した。
M&Aに関しては、「ユーザー数拡大につながるものと、ARPU向上・ストック収益追及に向けたものが中心となる。インフォニックスとクロス・ヘッドの買収は後者に相当するもの。ユーザー数拡大につながるM&Aについては、戦略的パートナーやアライアンス先と交渉中」と、今後も積極的に展開する考えであることを示した。また新規事業に関しては、「8月にはα版を公開したビジネスポータル事業を開始した。また、インフォニックスが持つMVNE(Mobile Virtual Network Enabler)を利用した携帯電話事業への参入も検討している」と、新規事業に関しても積極的に取り組んでいると述べた。
テクノロジーの強化については、「サイボウズ・ラボ株式会社の設立により、世界に通用する情報共有ソフトの開発を目指す。また、ガルーン2で採用した新フレームワークのCyDE2では、データベースにMySQLを採用することで、大規模環境への対応も可能になった」と説明した。
販売体制の強化については、「サイボウズというと直販のイメージが強いが、パートナーによる販売も増えている」と説明。2005年度中間期の直間比率を見ると、直接販売が40%、間接販売が60%とパートナー経由の販売が増えている。「これまでは、取り扱い製品を限定していたが、今後は全製品の取り扱いを可能にする。また、パートナーの販売実績に基づき、3段階のパートナープログラムを用意するなど、パートナーとの関係を強化する」と、パートナー経由での販売にも力を入れていく考えであるとした。
人事報酬制度については、「これまでは相対評価であったため、みんなががんばってもすべての人の評価を高くすることができなかった。これを絶対評価に改め、がんばった人はすべて高い評価にできるようにした」と社員のやる気を高めるために制度変更を行ったことを発表。「また、自分たちの会社の成長を共有してもらうためにも、持株会への加入を促進させたい。そのために、持株会奨励金を積立金の5%から100%に変更した」とした。
■ URL
サイボウズ株式会社
http://cybozu.co.jp/
プレスリリース
http://cybozu.co.jp/company/news/2005/20050913.html
( 福浦 一広 )
2005/09/13 18:48
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