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NEC、将来のシステム負荷や障害発生を予測するデータマイニングエンジン


 日本電気株式会社(以下、NEC)は9月15日、ITシステムや通信インフラなどの性能データを分析して、将来の負荷状況や障害発生を予測する時系列データマイニングエンジン「TrendLiner」を開発したと発表した。

 TrendLinerは、時系列データの予測を可能にしたマイニングエンジン。PCのCPU使用率やIO密度など負荷性能を示す時系列データのパターンを学習し、将来の性能値を予測することで、性能が限界点に達する時間や、負荷過剰のために障害が発生すると予測される時間を計算することができるという。

 こうした時系列データを予測する際、従来の手法では、予測対象となるデータの周期が長いとパターンの学習に膨大な計算量を必要としていたが、NECでは独自のモデリング技術を開発。これを適用することで、従来比約100倍の高速化を実現したとしている。

 また、「予測的確率的コンプレキシティ」という情報尺度に基づき、データを集約するための最適な時間感覚を選択可能なほか、全体的に増加しているのか減少しているのかといった大まかな傾向をとらえる「トレンド抽出機能」、いつもと違った異常が起きているかどうかを検出する「異常検出機能」も備えているとのこと。

 なおこの技術を、BIGLOBEのASP事業で運用しているストレージデバイスの性能将来予測にテスト適用したところ、従来手法と比べて予測誤差を30%削減できたという。今後NECでは、同技術を大規模システムからなるサービスプラットフォームに付加価値を与えるものと位置付け、早期の製品化を目指して研究開発を強化するとしている。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0509/1502.html


( 石井 一志 )
2005/09/15 19:10

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