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マイクロソフト、Windows Vista Enterprise Editionの限定提供など新SAプログラムを発表

Office PersonalをProfessionalに移行できるSAキャンペーンも発表

 マイクロソフト株式会社は9月16日、ソフトウェアアシュアランス(以下、SA)の最新プログラム「Software Assurance 2006(以下、SA 2006)」を2006年3月より開始すると発表した。

 SAは、有効期間内のソフトウェアのアップグレードを保証する有償のプログラムで、ボリュームライセンスを通じて提供される。同社執行役常務ビジネス&マーケティング担当のアダム・テイラー氏は、「ボリュームライセンスについては、50台以上のPCを保有する日本企業の約80%が導入しているが、SAに関してはまだまだ十分浸透していない。SA 2006によって、多くの企業で利用されるようにしたい」と、SA 2006によりSAの認知度を高めたい考えだ。


豊富な特典が用意されたSA 2006

 今回発表されたSA 2006では、新たに8つの特典の追加および強化が行われている。

 システム管理作業を支援するサービスとして、「デスクトップ導入計画サービス」「インフォメーションソリューションワークショップ」の2つの特典が追加された。どちらもマイクロソフトの認定パートナー企業より提供されるサービスで、クライアントソフトウェアを容易に展開・アップグレードできるよう支援するものとなっている。

 利用面では、大企業向けに設計された「Windows Vista Enterprise Edition」をSA 2006ユーザーに限定して提供する。Windows Vista Enterpriseは、機密情報を保護する機能であるFull Volume Encryption(ハードディスク全体の暗号化)や、旧アプリケーションを動作させることが可能な仮想マシンソフトウェアのVirtual PC Expressが搭載される。なお、Virtual PC Expressについては、Windows Vista Enterprise Editionの出荷前より利用することができる。

 また、WindowsまたはOfficeのクライアントライセンスを3万本以上SA保有しているユーザー向けに、トレーニングコースを無償で受講できる権利を提供する。従来は上限3万台と設定されていたものを強化したもので、「上限については調整中」(同社ビジネスマーケティング戦略本部ビジネスマネジメント部ライセンシング&プライシンググループ マネージャの田口恭子氏)とのこと。

 サポート面では、すべてのサーバーエディション、Windows、Officeを含む全製品において「常時(24時間×7日間)技術サポート」を電話によって提供する。

 プレミアサポート契約を締結しているWindows 2000ユーザーに提供される移行特典としては、旧型PC用にデザインされたOS「Windows Fundamentals for Legacy PCs」がSA 2006ユーザー限定で提供される。これまでコードネームEigerと呼ばれていたOSで、Windows XP Embedded SP2をベースに設計されている。これを利用することで、新規PCへの移行予定のないユーザーでも、旧型PCに導入することでセキュリティリスクを低減でき、また新規PC導入時にWindows XPやWindows Vistaへの移行をスムーズに行えるとしている。

 またプレミアサポート契約を締結しているWindows 2000ユーザー向けとして、「Extended Hot Fix自動延長」も用意される。これは2005年7月から先行して提供されているもので、プレミアサポート契約を前提に、必要な時点でコード修正のサポートを受けられるというもの。対象となる製品は、Office Professional、Windows、Exchange Server、Microsoft Operations Manager 2005、SQL Server 2005、Systems Management Server 2003、Windows Server。

 そのほか、「Enterprise Editionステップアップライセンス」がSA 2006ユーザー限定で提供される。これは新たなライセンスを購入することなく差額を支払うことで、特定製品のスタンダードエディションをエンタープライズエディションに移行できるというもの。

 新規特典のほかに、契約期間を3年に、また一括支払いだけでなく分割払いも用意するなど、企業が導入しやすい内容となっている。「年賦支払額をライセンスの3割程度にするなど、価格面でのメリットも高まっている」(田口氏)と新しいSAのメリットを強調した。


Office PersonalをProfessionalに移行できる、初年度半額のSAキャンペーンも発表

 また、中小規模企業ユーザーを対象とした「Open Valueスーパーステップアップキャンペーン」を10月3日から2006年3月31日まで行うこともあわせて発表された。このキャンペーンはOffice 97以降の製品(プレインストール、パッケージ、オープンライセンスのすべて)を対象としたもので、SAの初年度支払額を約50%割引するというもの。Personal EditionやStandard Editionを利用しているユーザーでも、このキャンペーンを利用することでProfessional Editionへ移行でき、またどのバージョンのOfficeでも利用可能になるのが特長。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2405
  Microsoft Software Assurance
  http://www.microsoft.com/japan/licensing/sa/


( 福浦 一広 )
2005/09/16 19:09

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