9月19日(米国時間)に本格的に開幕したOracle Open World 2005は、PeopleSoftを買収した影響などで、参加者が前年比1万人以上増えた3万2000人あまり、プレスも300名を超えるなど、大盛況となっている。19日には米Intelの社長兼CEO、ポール・オッテリーニ氏が基調講演に登場した。
|
米Intelの社長兼CEO、ポール・オッテリーニ氏
|
|
シングルシステム、シングルコアプロセッサを利用したグリッド、マルチコアプロセッサを利用したグリッド、の3つの処理性能を比較するデモも実施された。後からスタートしたにもかかわらず、一番右側のマルチコアプロセッサのグリッドが、進ちょく率(黄色のバー)がもっとも速く進んでいく
|
オッテリーニCEOは「PCが最初の1億台を突破するのに18年かかったが、次の1億台は6年で突破した」と述べた後、「こうした持続的な成長を達成し、かつトータルボリュームがこれだけあるものは例がないだろうが、これは偶然ではない」とし、その理由として、業界をあげて投資をし、革新的なことをして人々が好むものを作ってきたからだ、と主張する。
同氏はその1つの例として、同社の「Centrinoモバイルテクノロジ」を挙げる。オッテリーニCEOは、Wi-Fiをプラットフォームに組み込み、接続性をのばしたことで「真のモビリティが実現し、新しい“ノーマル”ができた」と述べ、こうした革新的な試みを継続的に行ってきたからこそ、PCが進歩してきたとまとめた。
さらにIntelはその中で、どうすればエンドトゥエンドの価値を提供できるかと考え、アーキテクチャを提供してきたと述べる。同社ではその1つとして現在は仮想化を支援するためのVTに注目しているとし、会場でデモを実施。同一のハードウェアの中で仮想的に実行されているOSを1つクラックして落としても、ほかのパーティションに影響が出ないことなどを実演してみせた。
また再三主張したのが、これからは消費電力1Wあたりの性能を最適化していく、ということだ。PC業界では、処理能力が向上するにつれ、消費電力もまたあがってしまう、という流れがあったが、そうではなく、1Wあたりの処理能力を向上させるという考え方が主力になるということ、そしてそのためにはCPUのマルチコア化が非常に重要な役割を果たすであろうことを再三主張して、Intelもこれを推進すると述べた。
そして、デュアルコアをはじめとするマルチコアCPUが普及すれば、処理のパラレル化が進むとし、「作業は難しいとは思うが、インテルもソフトウェア・ネットワークで支援する」と開発者に、アプリケーションのマルチスレッド化に向けたメッセージを送っていた。
最後にオッテリーニ氏は、「当社はムーアの法則を今後も引っ張っていくし、お客様のニーズに応えていく。両社が協力することによって、イノベーションというものが成長の次の段階の中心になるだろう」と述べ、講演を締めくくった。
■ URL
Oracle OpenWorld 2005(英語)
http://www.oracle.com/openworld/
( 石井 一志 )
2005/09/20 17:45
|