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米Oracle社長、“Oracleありき”でない新ミドルウェアアーキテクチャを発表

~Oracle OpenWorld 2005基調講演

 9月19日(米国時間)より本格的にスタートしたOracle OpenWorld 2005。そのトップバッターとして基調講演に登場したのは、米Oracleの社長、チャールズ・フィリップス氏だ。今回のイベントには、昨年比で50%増という3万2000人弱が登録したというだけあって、朝9時からの基調講演にも、大勢の人が詰めかけた。


米Oracleの社長、チャールズ・フィリップス氏

Oracle Fusion Architectureの各レイヤの概要
 その講演でフィリップス社長が一番時間を割いたのは、同社の新しいアーキテクチャ「Oracle Fusion Architecture(OFA)」の発表だ。このアーキテクチャはOracle Information Architecture(OIA)に代わって提唱されるものだが、最大の特徴は、「Oracle製品ありき」ではないことだという。もちろん、どこかにOracleの製品は入ることになる。しかし、すべてをOracle製品でそろえる必要はなくなる、ということなのである。

 この基本は、「プロセスをコンポーネント単位でモジュール化し、最適なものを組み合わせていく」(フィリップス社長)というSOA(サービス指向アーキテクチャ)であるが、それだけなら他社がことあるごとに主張していることと変わらない。ではどこが違うのかというと、「プロセスとデータ、この双方を統合可能なことだ」(同氏)。

 つまり、Oracleが繰り返し主張してきた、シングルデータモデルのメリット、強みをSOAの中に含め、提供することで差別化を図るということだ。これをOracleは、ミドルウェア製品群に「ホット・プラガブル」機能を盛り込むことで行うと発表している。フィリップス社長はこれを「(この日発表があった、IBMの)WebSphereと協力するぐらいオープンだ」と述べ、アピールする。

 同社はOFM(Oracle Fusion Middleware)にホット・プラガブルを含めることで、「特定のベンダや製品群に固定されることはない」としており、すでにデータベースやアプリケーションサーバーなどを導入しているユーザーへも、このアーキテクチャで食い込んでいく考えだ。この中にはもちろん、近年買収したPeopleSoft製品など、Oracle以外のプラットフォームで動作している自社製品のユーザーも視野に入っているのだろう。

 またあわせてフィリップス社長は「ミドルウェアをスイートとしてそろえていること」も大きなメリットだと主張する。各コンポーネントをそれだけ導入することもできるが、複数利用すればそれはそれでメリットが大きくなるという。「簡単に管理アップグレードできるし、ホット・プラガブルでしかも標準ベースであるから、ISVもすべてプラグインできる。オープンなビジネスでお客様に価値を与えたい」と述べた同社長は、繰り返しこのアーキテクチャについてアピールしていた。



URL
  Oracle OpenWorld 2005
  http://www.oracle.com/openworld/


( 石井 一志 )
2005/09/20 17:45

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